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第19話 三方向同時攻略

 ベリアルも手伝ってくれることになったので、急いで東側にも進軍することとなった。

「三方向を同時にとなったわけだな」

「ええ」

 信長の確認に、そうなりましたと隆景は額を押えつつ頷く。

 ともかく、ベリアル以外の全てが手を組んで攻め込んでくるような事態を避けなければならない。

「調略は任せた。お前は北回りでやっていけ」

「そのつもりです」

 隆景の頷きに満足し、信長は目の前の敵に注意を向ける。

 ザリチェの砂を操る術で道を作って進軍したため、すでにアスタロトの支配域に入っている。森の中という視界が悪く危険な場所を進んでいるところだ。

「さて、悪魔どもはどうやって攻撃をしてくるんだ。奇襲してくるのか」

 にやにやと笑いながら、信長はこれからの戦いに燃えるのだった。



 一方、それぞれの属性に合わせた武器を支給されて、飛龍に揺られる高虎と一豊は、魔界ってこんな感じかと、まだ物見遊山気分だ。

 木々が多く茂り、中央付近には大きな山がある。それは常にどんよりと曇っていて、海も真っ黒。そんな場所を初めて見たのだから、気分が高揚するのも当然だった。

「大丈夫ですかねえ」

 信長に真っ先にケンカを売って負けたガープは、そんな二人に不安そうだ。しかし、もはや後先考えずにケンカは売れない。これ以上自分の評判を落とすわけにはいかないのだ。ということで、こっそりベリアルに訊ねていた。

「大丈夫だろう。異世界も戦続きということで、やって来た連中は戦に慣れている。多方面と同時に戦争状態になるというのに慌てることなく、しかもすぐに役割を分担できるんだから。信じて損はない」

 訊ねられたベリアルは、心配はいらんさと笑い飛ばす。むしろ、戦においてベリアルは度胸も軍略力も持っている。息子が少しぼんくらだっただけで、自らが指揮する戦においては負け知らずだったのだ。

 そんな彼だからこそ、信長の資質も、そして呼び寄せた奴らの資質もすぐに理解出来ている。

「ベリアル様がそう仰るのなら」

 ガープは面白くないと思いつつも、戦で異世界人に負けてなるものかと気合いを入れ直していた。



「北回りというが、この山を挟んで北側ということか」

 官兵衛はこの山が戦を左右しそうだなと、地図の真ん中北よりに描かれている大きな山を指差した。

「ええ。これが中央と北を分断しているのは間違いないようです。ですから、考え方も北側は少し特殊だと言います。調略するには丁度いいんですよ」

「なるほど。もとより中央に打って出るつもりがないから、今回の争いも日和見を決め込む可能性が高いということだな」

「そうです。しかし、勢力図が大きく変化するとなった場合はどう動くか解りません。ということで、同盟を先に結んでおく必要があるわけです。ただ、レヴァイアタンはすぐに攻め込んでくる可能性があるため、後ろのアバンドンと戦って貰おうと思います。その間に二つの国と接している、山の北側の領土を押えるベルフェゴールを調略していきます」

 隆景はこれで大丈夫でしょうと官兵衛に確認した。

「そうだな。出来れば早急にこの北側最後のベルゼビュートという者と接触したい」

 官兵衛はこいつが問題になるだろうと、サタンと領土を接する北側のベルゼビュートを指差した。

「ええ。ただ、彼はルシファーと同じくサタンと同盟を結んでいます。難しい相手になるでしょう」

「ふっ。それは面白い。私に任せろ」

 そういう相手には慣れていると、官兵衛はにやりと笑ったのだった。

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