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闇騎士です。勇者パーティでしたが追放されたものの国が腐っている様なので、関わった女の子達に会いながら掃除する事にしました。  作者: なろうに魂を売った進藤
サイドストーリー 女性冒険者お悩みの迷惑モンスターと戦ってみよう!
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どうしてわざわざ戦ったのか?

「お疲れ様です皆様、討伐達成おめでとうございます」


 こうして、僕達は依頼として受けた迷惑モンスターを討伐した。残骸の一部を証拠としてし、そしてど変態魔法使いの日記を数冊と、その工房跡地を地図に示して、後は任せる事にした。


 これで冒険者が調査依頼を受けなければ、どのみち騎士に勅令が来るのだが、正直もうこの案件は関わりたく無かった。


 受付嬢から革袋を受け取り、僕はギルドの中にある椅子に腰掛け待つ四人に声を掛ける。


「報酬もらったからまずルーナの服を買いに行こうか、あと宿取って……今日はもう自由にしよう」


 革袋を掲げてヴァルス達四人が立ち上がった。


 それから……早速ルーナの新しい絹の服を買いに行き……。(この時やっと絹のショーツを購入した)


 旅路の消耗品を確認して調達してから……。


 宿を取り、貸し馬車の予約も確保して。


 そうして全て終わって……。


 まだ、真昼だった。


「いやぁ……スルスルと終わっちゃったわね」


「そうですねぇ、リデさん何か取りましょうか?」


「いや、いい」


 ナーロウの街のレストランを見つけ、僕達は昼ごはんを食べる事にした。栄えた街の食事は色々メニューがあるからいい。そしてお金に余裕があるから好きなものが食べれる。


 ヴァルス達の好みが見て取れた。ヴァルスは煮込んだ料理が好みらしい、特にシチューが好きらしいが、この店ではトマトとキャベツとニンジンと豚肉の具沢山スープを頼んでいた、たっぷりのキャベツにトマトとニンジンがこれまたたっぷり入って壮観だ。


 ルーナはエルフなだけあり、フルーツをよく食べる。フルーツとベリー盛り合わせを頼み、ヴァルスの野菜スープをシェアしてもらっている。


 エニー、エンディ姉妹は意外なチョイスだった、牛のステーキを頼んで、ブロッコリーのサラダを頼む。無論シェアするわけだが、肉も取らないと肌に悪いらしい。何事もバランス良くだそうだ。


 僕は……木の実クラッカー齧ってた、それとワインに、ベリージャムと、チーズ、ザワークラウトに干し肉。木の実クラッカーに、それらを乗せて、齧って、ワインで流す。食事というよりは酒飲みセットであった。


「ねぇリデ、貴方偏食って言われない?」


「うん……言われる」


「昼間からお酒はよく無いですよ……」


「よく言われた、勇者からも」


 サクサクサクと木の実クラッカーを齧り、ワインで流し込む。それがもう慣れてしまっている。勇者と旅に出る前から、木の実クラッカーにワインは僕の朝昼晩の変わらぬ主食であった。他が変わっても、これは変わらない。


「けどこれはいい物だ、素朴で飽きない、安いし、腹持ちがいい」


「そんなに?私にも食べさせなさいな」


 そうしてリ僕の皿の木の実クラッカーをヴァルスが一枚取って噛んだ。サクサクコリコリ、いい音がする。


「あらやだ美味しい、噛めば噛むほどほんのりと甘くて塩気も来て……このままもいいわね」


「でしょ?しかも栄養満点、腹も整うのよ」


 また一人木の実クラッカー愛好家が増えて僕は笑った、そうしてサクサク食べていると、フルーツを食べていたルーナが口元を拭いて、僕に尋ねた。


「ところで、リデさんは何で私たちが戦えるかを再確認したんですか?」


 ルーナの質問に、僕はワインが入った水差しをゴブレットに傾けて注ぐのをやめた。


「……次に、ザンビゴの奴らとやりあう為に必要な力を持ってる知り合いと会う為に必要なのさ」


「第四皇女様と?あら、もしかして城に侵入か突撃して無理矢理攫う気かしら?」


「してたまるか、僕はアルシャの騎士だ、謀反起こすわけも無しに」


「けど、寝たんですよね」


 ルーナは時々必殺を出すからびっくりする。まぁ、ちゃんと理由を話さないと駄目だわなと、僕は皆へ話す事にした。


「アルシャの皇女様やら皇太子ってのがこれまたドロドロの宮廷劇やらかしてるわけなんだけどさ……第四皇女様は末っ子で20歳、名前はマリューというのだけど……彼女は今、西の街から少し離れた、森の奥の城に閉じ込められているんだ」


「そうなの……」


「で、その森にはうようよモンスターが居て、彼女を城から出さない様に檻の役割をしているわけ」


 正しく、幽閉されたプリンセスと言ったところか。僕も勇者達とあの森を抜けるのはすごく苦労したなと思い出す。


「成る程、つまりリディアン様……ううん、リデはその森に囚われた皇女様を助けに行くわけなのね……」


 エニーがロマンチックだと目を輝かせている。しかし……僕はそんな夢想を砕く事になった。


「いや、助ける必要無い、むしろ僕らは第四皇女と戦わないといけないから」


「「「「え?」」」」


 皆が一様にそう声をあげた。


「第四皇女マリュー様は……天性の格闘家なんだ、昔から、政敵となる姉や兄達をもう殴る蹴るして手を血に染めて、騎士達と素手でやりあう実力者さ、だから上の皇女、皇太子様方が、あの森に閉じ込めた……週二回抜けてきては街の駐在の兵士を千切っては投げるけど」


「「「「千切っては投げ!?」」」」


「そう、そしてマリュー様が頼みを聞くには……殴り倒して命令するしかない」


 ゴブレットを傾けて中のワインを覗く。水面に映る自らの顔に、軽い痛みが走り、僕は目を細めて笑みを浮かべた。

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