何故か衣服を溶かすスライムが現れた
「私の実力はこんなものかしら、じゃあルーナ、次の見つけた相手はルーナが戦ってみて」
「が、がんばります」
粘液を拭き終わったヴァルスが、ルーナの肩をポンポンと叩いた。
しかし……ルーナはそもそも僧侶だ、治癒や解毒は得意とするが戦えるのだろうかとリデは考えた。
「ルーナ、危なかったらすぐ助けを呼ぶんだよ」
「はい、リデさん」
何かあってもまずいから、僕も剣を抜き放った。ヴァルスもそれは考えていると、先程ローパーを両断した剣を抜き放ったままだ。
「どっちが出るかな姉さん、あとは……オートマタとスライムだったかな?」
「さっきのローパーといい、どんな迷惑モンスターなんだろう」
ヴァルスに絡み付いたローパーといい、本当に迷惑モンスターは、他の冒険者なら色々失うだろう。スライム、オートマタはどんな物やらとエニー、エンディ姉妹が語らっていると……。
「じゃあ、探しま……きゃあ!?」
突然であった、ルーナの足元がぬかるみ、ルーナが尻餅をついたのだ。リデの視界では白いローブのミニスカが捲れ上がる!
「ルーナ……その、下着は?」
「え、エルフは下着を」
「履きなさいってば!ていうか服、服!」
「ああぁ、まさか!?」
ーー迷惑モンスター、何故か衣服だけ溶かすスライムが現れた!
ーースライムの不意打ち!ルーナは尻餅をついた!
ーールーナは動けない!
ーースライムの粘液がルーナの装備を溶かす!
ーールーナの絹のローブが溶けた!
ーールーナはもがいている
ーースライムの粘液がルーナの装備を溶かす!
ーールーナの絹のスカートが溶けた!
ーースライムの攻撃!ルーナの急所に粘液がかかる!
ーールーナの金色の茂みが溶けた!
ーースライムの攻撃!急所に10連突き!
ーールーナが叫びをあげる!しかしルーナにはダメージが無いようだ。
ーールーナの攻撃!ルーナの輝きがスライムを浄化する!
ーースライムに80ダメージ!
ーースライムの形態変化!スライムはルーナの体を包み込んだ!
リデ「これいじょうみてられるか!」
ーー闇騎士リデが助けに入った!
ルーナ「だ、だいじょうぶです、みててください」
ーールーナはリデを説得した!リデは止まってしまった!
ーースライムのスキル発動!マッサージ!
ーールーナは悶えながらも耐えている!
ーールーナの攻撃!過剰浄化!
ーースライムが光に包まれ、形を無くしていく!
ーーオーバーキール!
ーー何故か衣服だけ溶かすスライムを倒した!
ーールーナは24の経験値を手に入れた!絹のローブを失った、絹のスカートを失った、金色の茂みを失った……。
「はぁ、はぁ、はぁ……なんとか、倒せましたぁあ」
「いや、あのさ……僕何を見せられてるの?」
スライムの粘液塗れで裸になってしまったルーナを見て、僕は首を傾げた。ヴァルスがすぐ様タオルを取り出して彼女にかけてやる。
「もう、危なかったじゃない……あら、ルーナ……下の方が溶けてるわよ?」
「おいそんな軽くいうな!大丈夫かルーナ!傷薬出すぞ!」
肉体溶けてて軽く言うなと僕は慌てて傷薬を取り出した。しかし、ヴァルスはクスクスと笑いながら、リデに言い放つ。
「違うわよリデ、あのね、溶けたのは下の毛よ?もうツルツルになっちゃってて」
下の毛?いや、ルーナは産毛すら生えてなかったはずだがと、僕はルーナの足元を見た。
あ、本当だ、確かに溶けて無いわ、アクセサリ金色の茂みが無くなってーー。
僕は赤面して二人に背中を向けた。
「たしかに、スライムの溶液って脱毛ローションになるのよね、私もムダ毛処理に使ってるし、ツルツルになるから凄いのよねー」
「あらー本当ツルツル……リディアン様はツルツル派ですか、生えてる派ですかぁ?」
「二人ともツルツル連呼しないの」
スライムの溶液の利用法なんて知りとう無かった。そしてツルツルを連呼するなと、僕は背後度姦しく話し続けるエニーとエンディを注意した。
ともかくだ、ルーナの服は失ったが、ルーナは浄化魔法でモンスターを浄化できる事を知った。
こうして、迷惑モンスター二体目『何故か衣服だけ溶かすスライム』の討伐に成功したのだった。




