絡み付くローパーが現れた
こうして、僕達は女性冒険者を重点的に襲いに来るモンスター、通称『迷惑モンスター』を討伐する依頼を受けたのであった。
討伐するモンスターは以下の通り。
・絡みつくローパー
・何故か衣服を溶かすスライム
・意思持つオートマタ
早速、それらが跋扈するという、ナーロウから北にある森に僕達は向かった。
聞けば、ここは元々ある魔法使いが実験としてモンスターを利用していたらしく、それらの実験体がいまだに生き残っているらしい。
「ヴァルス……この依頼を受けた理由を聞きたいのだけど?」
僕達は広がる森を前にしながら、ヴァルスに尋ねた、わざわざあんなモンスター討伐を選んだ理由はと。
「そもそも、リデが試しに私達の実力を見たいって話じゃない?」
「まぁ、そうだけど」
「かと言って、竜やら相手にして死んだら元も子も無いわよね、しかし普通のスライムやらを相手にしてもそれはただの蹂躙でしか無い」
僕は頷いた、して、その答えはとヴァルスに尋ねた。
「そこで、この女性お悩みモンスターよ、女性に猛威を振るうモンスターなら、私たちも緊張感を持って戦えるじゃない?」
成る程……一理あるやもしれない。自分たちを本気に襲ってくるモンスター相手なら、緊張感の下実力を見せれると。
「で、本当は?」
「実はちょっとそんなモンスターがどうなのか、興味あるのよね、ほら?あなたもステージで魔法を使った触手」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
僕がヴァルスを壊してしまった事実に、素早く土下座した。リディアンのステージで、確かに魔法を使ったローパー触手のショーを彼女に行ったのだ。
「あ、あれは私も……凄かったです」
「まさかステージでモンスターとの擬似体験なんて、リディアン様のアイデアは魔法の泉ですね」
「やぁーめぇーてぇーよーもー」
他の三人も、もう普通に戻れないのだろうか。僕はもうやめてとは言いながらも、この依頼を受けた以上、完遂せねばならないと決めた。
「さて、じゃあ初めは私が戦いますか」
そうヴァルスは呟いて、魔剣ではない、普通の剣を抜き放った。
皆の実力を把握する為、モンスター討伐を受けたリデ以下『リデ・ハレム・パレド』は、近場の森を歩む。そして、第一の標的と遭遇した。
黄色い、柔らかな粘質な分泌物の直立した本体。そしてうねる緑の触手、それらをうねらせるモンスター。
ローパー……主に水辺や湿潤な地形に現れる魔物、触手を伸ばして相手を捕獲し、対象に卵を生みつけ繁殖する。なお、草食な模様。
「よし、じゃあ行ってくるわ」
「その、お気をつけてヴァルス」
「大丈夫大丈夫、あ、もしやばかったらすぐサインは出すから」
そうして、ヴァルスはルーナから気をつけるようにと言われ、リデ達から離れローパーに近づけば、ローパーがヴァルスを見つけたのか激しくうねり始めたのだ。
ーーローパーが現れた!
ーーヴァルスは余裕な笑みでローパーを見ている!
ーーローパーの触手がヴァルスを掴んだ!
ーーヴァルスは動けない……
ーーローパーの締め上げる!
ーーしかしヴァルスにはダメージが無いようだ……
ーーローパーの締め上げる!
ーーヴァルスは赤面しながらもダメージは無いようだ……
ーーローパーがヴァルスを釣り上げ逆さまにした!
ーーヴァルスは何故かワクワクしている!
ーーローパーの触手で貫く!
ーーヴァルスは叫んだ!しかしダメージは無いようだ。
ーーローパーの触手が回転する!
ーーヴァルスは無反応だ
ーーローパーの触手2本目がヴァルスを貫いた!
ーーヴァルスは無言のまま、貫かれている
ーーローパーが困惑している!
ーーヴァルスの攻撃!きりもみ回転からの唐竹割り!
ーーオーバーキール!!ローパーの身体は真っ二つだ!
ーー絡み付くローパーを倒した!
ーーヴァルスは経験値を1取得した
ヴァルスが、リデ達に向かって歩きながら帰って来た。身体中ローパーの粘液をかぶり、ヌトヌトになりながら。リデは口をあんぐりさせて、ルーナはいそいそと杖を振りかざしヴァルスに治癒呪文をかける。
「ふぅ……んー……やっぱりリデじゃないとダメみたいね、全くダメだったわ」
僕、ローパーより上手いのか……嬉しいやら悲しいやら……とりあえず絡み付くローパーを、ヴァルスは一刀の下討伐したのであった。
迷惑モンスター『絡み付くローパー』討伐完了!




