ギルドへ行こう!
五人目の協力者に会う前に、リデは皆の実力を把握する為、ギルドの討伐依頼を受ける事に。
ナーロウの街のギルドに着いたリデ達は、あるモンスターの討伐依頼を目にする。
それは、実力こそ低級だが、突然変異により女性冒険者を重点的に襲いに来る『迷惑モンスター』の討伐依頼だった!
普通の冒険者達なら簡単に倒せる、しかし失うものも結構ある為、冒険者達はその依頼を受けることはしなかった。
報酬も中々だし、スリリングだとヴァルスの一声で、リデ達は貼られている『迷惑モンスター』討伐に乗り出した!
冒険者ギルドとは!?
冒険者のギルドである!!
主に民草やら、商会やらその辺で困ってる人が、依頼を持ってきて、それを斡旋している仲介業者である!
それこそ、薬草摘みから赤子の世話、モンスター討伐までなんでも、冒険者達が日銭を稼ぐ場所でもある!
ちなみに現在、アルシャ、クーラント連合国における共通冒険者ギルドに在籍する者は、個人間の依頼請負は免許剥奪処分となっており、これは冒険者と依頼主の金銭トラブルや、脱税対策となっている!
リデ達は、その冒険者ギルドがある街、カルブキからさらに西へ向かったのだった。
なお、カルブキにも冒険者ギルドはあるがなぜそこを使わなかったかと言えば、全員ショーにて公開調教されて顔が割れていたからである!特にエニーとエンディは、ラヴィアンのツートップ!
そんな二人がカルブキの冒険者ギルドに行こうものなら、しゃくしろ触らせろと言われるのが目に見えている!
「あーだからわざわざ目的地手前の街のギルドに行くわけね、納得」
「君らが他の輩に纏わりつかれるのが癪ですので」
「あっはっは!やきもち焼くのねえ、闇騎士も!何なら離れないように子を作ればいいじゃないの」
一行はカルブキより貨し馬車を借りて、それでゆっくり次の街を目指していた。ちなみに手綱はリデが握り、隣にはヴァルスが座していた。
誰がリデの隣に座るか決める際に、少し揉めたが公平にくじを作り、ヴァルス、エニー、ルーナ、エンディが交代で座る事になった。
なお、ずっと座るのは女子にはきつかった、手綱を握るリデも、手綱を握る席は尻が痛くなる。振動もダイレクトに来るし、馬車に座るのが賢明だった。
「いやだから、責任取れないから、身重の女性連れて任務できるかよヴァルス……」
「あ、ふーん……なら、あんたの言う、絨毯掃除が終われば、そうしたいわけ?」
「……むう」
「リデは結婚願望とか無いの?」
「僕が礼服着て花嫁つれる姿が想像できなくてな……それに、こんな女遊びをする男だ、君らも嫌だろう」
「「「「全然」」」」」
「あー君らさ、人生の話だしもーちょい考えてもいいと思うよ」
度々彼女らに言う、こんな男について来たら人生棒に振るからと。もっといい男見つけなさいなと、ヴァルスにしか聞こえてなかろうと思ったら皆聞いてて、即答した。
「リデは独身でいたいわけ?」
じゃあそもそも独身でいたいのかとヴァルスに尋ねられ、僕は悩んだ。
そもそも、この年齢まで生きている自分が驚いていた。勇者の旅路以前からいろいろやらかしている自分だ、明日あたり死ぬかなと何度感じた事やら。だから、綺麗さっぱりどこで死んでもいいように悔いなく生きてきたわけだが。
何の因果だろうか、生きながらえて勇者と旅をしていたのだ。そして今は、勇者の帰り道を掃除する事に決めたのだ。
「考えてもいなかったな、そんな事、いずれ野垂れ死にか謀殺、縛り首を覚悟していたし」
「貴方も貴方で、どんな人生送ったらそうなるのよ、人並みの幸せくらい求めていいじゃない」
「えー……汚職貴族殴って、左遷されて、汚職貴族弾劾して……反勇者派を吊し上げて、恨まれて……うん、やめよう」
「やめましょうか、楽しいこと考えましょう」
ヴァルスにそうだなと頷いた所で、次の街が見えてきた。なかなかに栄えている街だ。見れば円形の壁に囲まれている。
「あの街かしら、なんて名前なの?」
ヴァルスにそう質問を投げかけられて僕は地図を見る、そう言えば勇者との旅では突貫でここは通過したなと思い出した。そして地図と照らし合わせ……あー、と思い出す。
「ナーロウの街だ、冒険者の街なんだって」
「わー、何てタイムリー」
本当にタイムリーだったなと、僕は地図をしまい手綱を握り直した。
さて……冒険者ってのはピンキリなわけだ、素晴らしい態度に品行方正な方々もいらっしゃれば、飲んだくれて暴れん坊で、女に目が無い冒険者だって居る。
で、だ……周りからはあまり大人に見えない僕が、それはもう、褐色の美人ビキニアーマー剣士に、女神恵体エルフ僧侶、そして踊り子服の姉妹魔法使いを連れたら……それはもう何事だとかなるわけで。
「よおねぇちゃん、子守かい、俺がその依頼受けてやろうか」
「なんだったら全員面倒見てやるぜ、ぐへへ」
ヴァルスとルーナが、早速言い寄られた。スキンヘッドにモヒカンの冒険者が、身体を舐めるようにながめているとあ、ヴァルスがルーナに目配せして、そしてルーナが目配せして頷いた所で。
「邪魔」
「邪魔です」
二人の膝が、言い寄って来た冒険者の股座を蹴り上げた。
それと同時に、僕は先に受付を呼び出すベルをチーンと鳴らしていて、背後での叫び声と蹲る二人に、何があったのだろうかと、その時は見ておらず、後になって事態を教えられた。
子孫とララバイした冒険者二人は、担架で運ばれて行った。




