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楽園サドハラのドS王国王子、プリンス・リディアン

 リデが衣装を受け取り更衣室に入った一方、ヴァルスとルーナ、エニー、エンディ、そしてスァーギタは、静かなステージで待っていた。


 ラヴィアンは今日は店終いと、お客達が皆出て行ったところで看板をかけて扉を閉めたのだ。


「あぁ!興奮するわぁっ!カルブキの伝説!ドS王国からリディアン王子が帰ってくる!!明日は満員になるわよ!」


 一番興奮していたのはこのオーナーだろう、何しろ自らが見つけた才覚が本物で、そして伝説を築き上げたのだ。そして今、その伝説が蘇ろうとしていたのだ。


 その興奮振りを見ていたヴァルス、ルーナの、知らない二人からしてみれば、本当にリデが、リディアンなる凄まじい姿を持っている事を、2分間それをしるエニーとエンディに話されて、ドキドキしていた。


「あのレザーボンテージを着たリデ……」


「すごく意地悪なリデさん……」


 旅路の中で寝屋を共にする二人が知らない領域、あれ以上の事ができる自分達を堕とした雄の更なる領域……ヴァルスは体を熱くさせ、ルーナは膝が内側に向き始めていたら。


「ねぇオバ……ヴァルス?それより、貴女はその……どんなふうにリディアン様と」


「あらー、この子まだ生意気言い腐る気かしら」


「うぃいー!」


 エニーはヴァルスに両頬を引っ張られた。そしてしばらくして離してから、ルーナに目線を送ると、笑みを浮かべて呆けながら話すのだった。


「それはもう、とても優しく、激しく愛してくれてるわ」


「貴女達と同じの、彼無しでは生きていけなくなりました」


 そして二人は、道中の事を語り出した。


 20秒、踊り子姉妹は頷いた。45秒、少し赤くなった。


 1分経過して……息は荒くなった。


「そ、そんな優しく激しくされてたのね、羨ましい」


「そんなにされたら、もう子供欲しくなっちゃうじゃないですか」


「その癖必ず避妊してくるから……酷よね」


「酷です」


「「酷ですよね」」


 四人して、うんうんと頷いた刹那……それは起こった。


「え、あ?」


 ヴァルスが感じたのは……恐ろしい程の、魔力!それが舞台袖から滲み出て来ているのだ。それにはエルフたるルーナも体感したみたいだった。


「な、何ですかこの、押しつぶされそうな感覚」


 ルーナもその異様さに身体を強張らせた、だがさらに……ヴァルスやルーナははっと足元を見たのだ、太ももに、液体が滴っている、足腰に力が入らなくなり、二人はステージに座り込んでしまった。


「やっぱり、貴女達には耐えられないみたいね、リディアンが放つドSの覇気には」


「ど、どえすの覇気?」


 スァーギタが膝を震わせ、冷や汗を垂らしながらも座り込んだ二人にそう呟き、ルーナが尋ねた。


「そう、選ばれたサディストだけが放てる覇気、この覇気を前にしては異性同性関係無く、足腰の力を失う!ご覧なさい、うちのエニーとエンディもあのザマよ!」


「な、あ!」


 ヴァルスが踊り子姉妹を見たときには、驚くしか無かった。彼女達は舌を出して、四つん這いになり、顔を蒸気させて息を荒げていたのだ。


 カツン、カツン、そして音が響き渡り、舞台袖から影が、ゆっくりと光を帯びて現れる。


 そこに居たのは、リデ……ではなかった。


 いや、リデなのだ、確かにリデなのだ。しかし最早違う人間としか思えない雰囲気を醸し出していた。


 ブーツを鳴らし、黒革のフェティッシュな短パン、そしてノースリーブボンテージの上着……乗馬鞭を右手に持ち、左手へ、トントンと乗せる様にもて遊ぶ。王冠は飾りながら、まるで、本当に王子と思いそうな威厳……。


 何より、目だ。目が違う、冷たい、ヴァルスやルーナが見た事もない目をしていた。死闘の時ですら、こんな目をしていなかったと、ヴァルスは現れたリデ……いや、ドS王国王子リディアンを見上げてそう思ったのだ。


「リディアン、あぁ!プリンスリディアン!!お待ちしておりました!!」


 スァーギタが感極まり、片膝を付いて首を垂れた。見下ろすリデ、いや……リディアンは乗馬鞭の先でスァーギタの顎を持ち上げさせた。


「おい、雄豚……」


「おぉう……何ですかプリンス」


 そのまま顎を上げさせれば、スァーギタは追従して立ち上がる。リディアンが見上げる形になった瞬間!


「雄豚ぁ!誰が喋れと許可したぁあ!」


 スパァアン!と乗馬鞭がスァーギタの剥き出しの腹を叩いたのだ!


「おぉおう!」


「何気持ちよさそうにしてんだ雄豚コラァ!臭え息吐きやがって!」


 叩かれて回転したスァーギタの尻に、二発目のムチが鳴り響く!


「オォウカマァアアンッッ!!」


「この僕がわざわざ来てやったってのに無礼働きやがって!汚ねえケツ向けんじゃねぇ!!」


「ヒィィーハァアアー!もっとぉ、リディアンモットォオオ!!」


 ブーツに尻を踏まれ、背中に、ケツに鞭を振り下ろすリデことリディアン。そうして、ラヴィアンのオーナーは恍惚の表情で痙攣して倒れ伏した。


「雄豚、這うな、椅子として背を出せ」


「ははぁ!プリンス!!」


 そうしてスァーギタは、四つん這いになり背中を固定するや、リディアンがそこに座して足を組む。それを見て……ヴァルスとルーナは、何が起きてるのかと目を丸くするしかなかった。


 だが、リディアンを知る、リディアンに全て捧げたという踊り子エニーとエンディは違った!


「はっはっ!リディアン様!リディアン様ぁ!」


「あんあん!くぅうーん!」


 エニー、そしてエンディは、犬真似をして四つ足でリディアンの元に、構ってとばかりに這っていくのだった。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] リデさんなんだかんだくっそ役にのめり込んでノリノリで草 こんなの味わっちゃったらみんな犬(意味深)になるしかないじゃないか!!!(笑)
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