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83話

アシタカと別れ1週間ほど経っていて、俺達4人は森林地帯に入っていた。


「前から魔人達が来るぞ、だが何かおかしいな」

アルファの眼『エア・イリス』が未来の出来事を捉えていた。


「3人の魔人がかなり大きな魔人に追われている。

そしてワシらはなかなか厄介な出来事に巻き込まれるぞ。覚悟をした方がいいぞ」


「わかったよ」

この時、俺は厄介な出来事の意味に気づく事は出来なかった。


〜〜〜

それから1時間ほど歩いていた時だった。


前から蜂の姿をした3人の魔人がものすごい勢いで飛んできた。

「邪魔だ!!どけー!!」


俺達4人は前からきた魔人達が攻撃をしかけてくる意志を感じなかったため、素直に避けた。


「ありがとう」

3人の魔人達はお礼を言い、そのまま飛び去っていってしまった。

その直後、3メートルを超える人型というには大きな蜂の姿をした魔人が殺気を出しながら飛んできた。


「我は魔人アビス、3人の魔人サンビーはどこに飛んでいった?」

その言葉を発すると共に右腕から飛び出ている針をこちらに向けて襲いかかってきた。


「サイカ、オウリン、ジョナ・ゴールド・クリムゾン」

「風水拳・人門・獣人変化」

俺は素早く3種のリンゴポーションを飲み、金の毛に覆われた猿に変化した。


「風水拳奥義・雨雲草凪の拳」

俺はとっさに魔人アビスの攻撃を受け流し、倍以上の威力にして反撃したが、魔人アビスはびくともしなかった。


「雑魚が邪魔しおって、お前ら全員地獄におくってやるわ!!」

魔人アビスは怒りくるい手当たり次第に襲いかかってきた。


「風水拳奥義・雨雲草凪の拳」

俺は魔人アビスの攻撃を受け流し、その隙にマリアが攻撃を仕掛けた。

「星の型・4つ星・サザンクロス」

マリアは十字に魔人アビスを斬りつけたがダメージを与える様子は感じられなかった。


続けて、テウスとアルファも攻撃を仕掛けた。

「火・風・闇魔法・風天炎魔」

「白帝砲・究極奥義・風天剛翔波」


テウスとアルファの技は合体して禍々しい闇のファイヤートルネードが魔人アビスに襲いかかった。


「うぐっ!」

魔人アビスは闇の炎に包まれダメージを負いながらも、右腕の針で反撃してきた。


「うおっ!」

俺は闇の炎に包まれた針を避ける時に大きく避けたために隙が出来てしまい、その隙を見逃さず魔人アビスは追撃を仕掛けてきた。


「トリス、危ない!!」

マリアが闇の炎に包まれた針を黒星刀で受け止めた。そしてマリアは闇の炎に包まれながら魔人アビスに攻撃をし始めようとしていた。


「マリア、大丈夫か!!」

俺は急いで白金の爪でマリアの闇の炎を消し去った。


「トリス、ありがとう。この技で決めるわ!!」

「星の型・5つ星・五芒星」

マリアは魔人アビスを星の形に斬りつけた。


「グワっ!!!!」

魔人アビスは瀕死の状態になりながらも最後の力を振り絞り攻撃をしてきた。


「共に地獄に堕ちるがいい!!」

強力な技を放ったマリアは大きな隙が出来ていて魔人アビスの針をまともにくらってしまった。そして最後の力を使い切った魔人アビスは力尽きていた。


「アッーー!!」

マリアは魔人アビスの毒によって激しい痛みが襲いかかったが、防御を司る地天の王ゲンブから教わっていた中和物質を生成し毒を消し去った。


〜〜〜

激しい戦いを終えた俺達4人は少し休憩をとっていた。


「マリア、さっきの毒で身体にはどこも異常はないか?」


「大丈夫よ、トリスは心配しすぎよ」


「もうみんなはお主がトリスの子を身篭っている事には気付いておるぞ」

突然アルファが口を挟んできた。


「えっ!」

マリアは驚きを隠せないでいた。


「身重の身体だという事をみんなにバレたら足を引っ張るから内緒にしていたのかもしれないが、最近お主が身体を気遣っているのは誰の目にも明らかだったからな」


「黙っていてごめんなさい」


「もうよい。今日はもうゆっくり休んだほうがいい」


「わかったわ」


強力な魔人との戦いを終えて4人はここで一夜を過ごした。だがこれは厄介な出来事の始まりにしかすぎなかった。




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