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67話

4人はゲンブの目の前にやってきた。

ゲンブの姿は巨大な甲羅に覆われていて、全貌は確認する事ができないくらい大きな姿と放たれる圧力に俺とアルファはただただ圧倒されていた。


そんな静かに流れる時の中、先に口を開いたのはビャクヤだった。

「お久しぶりです。現在体調はいかがでしょうか?少しでも気分が良くなるようにと『南極サンゴ』をお持ちしました。トリス、出してくれ」


俺はアイテム収納から『南極サンゴ』を取り出し、ゲンブに渡した。


「気を使わせてすまないな。そしてトリスよ、妹を救ってくれてありがとう。お主が『南極サンゴ』を取りに行った時、出会ったのは私の妹だ」


「そうだったんですか。じゃああの姿は獣人変化した姿だったんだ」


「きちんとしたお礼もできなかったから、今度来たらゆっくりとおもてなしをしたいと言っていたから、今回の用事が終わったら会いに行くといい」


「わかりました」


「今回お主達が来た理由はだいたいわかっておる。月影の白兎が『黒蛇亀の卵』を狙っておるんじゃな」


「そうです。『黒蛇亀の卵』を使って四獣封印を解こうとしています」


「やはりそうか。今から話す事はお主らは知らなければならない事じゃ。長くなるが聞いてくれ」


「はい」


「はるか昔、この世界は混沌の世界の中にあって獣達には住みにくい世界じゃった。獣達が住みやすい世界を作るために4匹の獣は『天時空界』で修行して力をつける事にした。4匹の獣は青龍の『タロウ』、太陽の金猿の『天悟空』、岩イノシシの『ハッカイ』、そして黒蛇亀の『ゲンブ』の私の4匹の事だ」


「ふむふむ」


「4匹は『天時空界』で修行した後、地獄の門の上に四獣封印をした。これで獣達が住みやすい世界になったのだ」


「ふむふむ」


「それからその4匹は秩序を保つために8匹の獣に修行をつけて12匹の獣で世界を守る事にした。それが現在の12死獣と言われる者達じゃ」


「ふむふむ」


「じゃが力をつけた獣の中にはその強大な力を悪用する者が出てきてしまった。それに気付かずに青龍の『タロウ』は地獄の鬼を退治に行くと言い出し、太陽の金猿の『天悟空』と『五色鳥』と『月の銀狼』を連れて鬼退治に行ったのじゃ」


「ふむふむ」


「そして知恵を司る『ブルーオウル』がいなくなった『五色鳥』だけが帰ってきた」


「ふむふむ」


「四方を守護する獣がいなくなってしまい、今の守護地に配置を変更したために現在のように世界は乱れてしまったのじゃ」


「いなくなったはずの青龍が東の地を守護しているのはなぜですか?」


「『天時空界』で修行した青龍はあまりにも強大な力を手にしたため、旅を共にした3匹に自分の力の根源を分散して分けて守ってもらう事にしたのじゃ。3つの像、肉体の実像はハッカイに。精神の虚像は天悟空に。そして魂の心臓はゲンブの私に」


「ふむふむ」


「天悟空はニンゲンに精神の虚像を映し出す『龍の鏡』の作り方を教えていたから、青龍は精神の虚像だけで東の地を守っているのじゃ」


「そうだったんですね」


「話を戻すぞ。この乱れた世界の状態で四獣封印を解けば、地獄の門は再び開かれてあの世とこの世が入り混じる混沌の世界になる。その時、全ての獣は実体なき『霊者』となり死を超越した存在になるだろう。生があるから死を慈しむ事ができる。『霊者』の世界には愛はなくなるだろう。そんな世界にはさせてはいけない」


「わかりました」


「話が長くなってしまったな。3日後の満月の日に私は産卵する。卵を、そしてこの世界を守ってくれ」


「はい!」


〜〜〜

3日後の満月の夜になり、世界の命運をかけた戦いが今始まる。


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