53話
俺は不死の山のふもとに降り立っていた。
「ここに岩イノシシがいるんだな。やはり独特の雰囲気があるな」
俺は忍び足スキルを使って進んでいった。
それから1時間ほど歩いただろうか、魔物とは1度も遭遇しなかった。
「さすがにここには岩イノシシしかいないのかな。見渡す限りゴツゴツとした岩しか見当たらないな」
それから2時間程歩き、とうとう頂上までたどり着いた。
「魔物の気配すらないぞ!どうなっているんだ!」
そんな時、少し先に金色に光る木を見つけた。
「あれがもしかして『ジョナ・ゴールド』の木なのか」
俺は『ジョナ・ゴールド』の木の目の前に来ていた。
「きれいな金色だ。岩イノシシも出てこないみたいだし、先に採取しておくか」
俺は『ジョナ・ゴールド』をある程度の量を採取して、そのまま『ジョナ・ゴールド・クリムゾン』ポーションを作った。
「観察眼で確認してもよくわからないんだけど、『ジョナ・ゴールド・クリムゾン』ポーションは
一体どんな効果があるんだろうか。さっそく飲んでみるか」
俺は『ジョナ・ゴールド・クリムゾン』を飲んでみた。
「こ、これは!」
その瞬間俺の体から金色のオーラが立ち上がっていた。
「生命力があふれるようだ。なんなんだこの力は!」
その時、頭の中に声が響いてきた。
[金の力に目覚めし者よ、次元を操り我が元に来てくれ]
「あなたは・・・」
[我が名は『天悟空』、時空の王にして太陽の金猿]
「どうやって次元を操れば・・・」
[もう時間がない。頼んだぞ・・・]
それから声は聞こえなくなった。
「あの声は一体・・・」
少し考えていたら、金色のオーラはなくなっていた。
「そういえば、岩イノシシはサイカのリンゴで呼び出すって言ってたな」
俺はアイテム収納からサイカのリンゴを取り出した。




