42話
火事の消火は終わったが、ギルドにはかなりの人が傷だらけで憔悴していた。
「まさかこんな形でサファイアタブレットの知識が役立つとは思わなかったぜ」
俺は龍泉水と薬草を混ぜ始めた。出来上がった液体はドラゴンブルーの液体だった。
「飲めばたちまち魔力が回復し傷も癒えるポーション、これを作りし者は一生生活は安泰と言われる薬、『マナポ』」
俺はマナポを傷ついた人達に配って回った。
「これはマナポ!!伝説の『青の錬金術師』が再臨したぞーー!!」
『青の錬金術師』が現れたとの噂があっという間に広まってしまった。
「すいません。『青の錬金術師』ってなんですか?」
何も知らなかった俺は受付の人に聞いてみた。
「東の王国に伝わる伝説ですよ。作れない物は何もない知恵の者『青の錬金術師』。南の王国の方でもヒヒイロカネや賢者の石というのは聞いた事ありますよね?」
「たしかにその素材の名前は聞いた事があるな。それを作れる人が『青の錬金術師』か」
(でも今の俺にはその知識はないな。ブルーオウル
を追い求める旅に出てみるか)
「そういえば、武器屋のドフワーさんはどうしているかわかりますか?」
「武器屋のドフワーさんと防具屋のワドフーさんは腕を切り落とされていて重体です。命に関わる事はなかったですけど、もう武器も防具も作れない身体になってしまいました」
「そんな・・・」
「龍の洞窟にある『龍泉桃』ならなんとかなるかもしれないですけど・・・トリスさん、今龍の洞窟に行けるのはトリスさんしかいません。なんとかなりませんでしょうか?」
「困ってる人がいたら助けるのが冒険者だろ。ってちょっとカッコつけすぎか。すぐに行ってきます」
俺は転移魔法スキルを使い、龍の洞窟の最奥に転移した。




