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31話

夕方になり、3人で国王に会いに行った。


国王の間に通され、俺の目の前には国王が座っていた。

「本日はお会いしていただきありがとうございます」


「ギルド長と王国商会の役員と久しぶりのSランク挑戦者が会いたいと言われたら会わないわけにはいかないだろう。で、どういった用で参った?」


「頭を悩ませていた盗賊の残党を捕まえてきました。普通なら死刑になると思いますが、その処遇を私に任せてもらえないでしょうか?」


「それは出来ぬ事だ!と言いたいところだが、お主は何を考えておる?」


「この国の未来の事です。異常繁殖している魔物達のせいで国民は怪我をする事が多くなっています。その怪我をなくすために薬草の採取をしてもらいます。採取のついでに街の外の魔物も退治してもらいます。こうする事で兵士達は自国を守るために使うことができます」


「それは理想論だな。盗賊達の住処や生活はどう考えている?採取や近隣の魔物退治だけでは生活出来ぬぞ」


「彼らの生活にかかるお金は私が全て負担します。もし私に任せてもらえるなら、今この場で国に1000億リンの寄付をいたします。これだけあれば、いろいろ出来る事もあると思います」


「たしかに今この国は財政的に厳しい。1000億くらいでは足しにならないぞ」


「財政を圧迫している要因の1つにレア素材の輸送があります。たくさんの高ランクの冒険者を必要としているため1回の費用は1000億と聞いております。私なら1回1億で運ぶ事が出来ます。それも短時間の内に出来ます」


「レア素材の輸送は1か月以上かかる大変な仕事だぞ!お主はどうやってやるつもりだ。それは盗賊達には任せられぬぞ」


「説明するより実際に体験してもらえれば、わかりやすいと思います。転移魔法スキル発動」

国王を自宅に転移させた。


「なんじゃこれは?ここはどこじゃ?」


「ここはギルドの隣の私の自宅です。一旦先ほどの場所にまた戻ります。転移魔法スキル発動」

国王の間に戻った。


「この力を身につけたため、私はSランク挑戦者になる事ができました」


「たしかにこの力があればお主の言った事は可能だろう。しかし、」


「トリスさんに任せてもよろしいんではありませんか?」

王女が何もないところから急に現れた。


「イライザ、なぜお前が急に!」


「私が王女を転移させて、来てもらいました」


「盗賊に誘拐された時助けてくれたのはトリスさんです」


少し沈黙してから、

「イライザを救ってくれたのはお主だったのか!わかった、盗賊達の処遇はお主に任せる事にしよう。ギルド長よ、彼らのサポートを頼んだぞ」


「かしこまりました」


「本日はお会いしていただきありがとうございました。それでは失礼いたします」


こうして運送商店『ヘルメスの旅人』は本格的に始動する運びとなった。



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