3話
今日は成人の儀式の日
「じゃあ僕教会に行ってきます」
「頑張ってこいよ」
「テウスに神の御加護がありますように」
俺にとってこの時期は嫌な時期になった。新成人と一緒におつかいクエストをやらないといけないからだ。
それでも今日はマリアの弟テウスの成人の儀式だからと思い、俺も教会に向かった。
「あなたに神の御加護がありますように」
あたりが光に包まれる。
「僕の【特殊】スキルは《打撃王》です」
あたりがざわめきだす。
今年は5年ぶりにレアスキルがでたみたいだった。
「次はテウスの番だな」
「あなたに神の御加護がありますように」
あたりが光に包まれる。
テウスがびっくりした顔をして宣言した。
「僕の【特殊】スキルは《勇者》と《匠》です」
周りの人々は一瞬静まりかえった後に大歓声に変わった。
【特殊】スキル→《匠》
自身が所持しているスキルをアイテムに付与する事ができる。
《職人》の上位スキルの《匠》スキルは《勇者》と同じく100万に1人と言われている超レアスキルだ。その超レアスキルを2つも所持しているのは史上初だった。
大歓声の中テウスが俺も元にやってきた。
「トリス兄ちゃんも来てたんだね。なんだか大変な事になっちゃったみたい」
「マリアも《勇者》だったんだから、テウスも《勇者》を授かったんだよ。おめでとう」
こうして俺とテウスは家に帰ってきた。
ゼウスが俺達を出迎えた。
「街がすごい騒ぎになってるけど、成人の儀式で何かあったのか?」
「僕が《勇者》と《匠》のスキルを授かったからだと思う」
「それはおめでたい事だ。今日はこのまま朝までどんちゃん騒ぎだなぁこりゃ」
ゼウスはすごい喜んでいるけど、時折寂しそう表情を浮かべていた。