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25話

応接室に入る前にギルド長が口を開いた。

「これでトリス様をからかうような人はいなくなるでしょう」


応接室に入った俺とギルド長は大きな椅子に腰掛けた。

「トリス様のおかげでずいぶんと立派な建物になりました。ありがとうございます」


「俺は特に何もしていないんだけど・・・」


「フワドー様の先見の明はとても素晴らしいという事ですね。現に今こうしてSランクの挑戦者になったのですから」

ギルド長は微笑んで、話しを続けた。

「まずSランクになるための条件ですが、4つの王国に存在するSランクを倒す事が条件となります。私達が住んでる南の王国にいる『ミノタウロス』、東の王国にいる『ブルードラゴン』、北の王国にいる『岩イノシシ』、西の王国にいる『眠らない羊』を討伐してもらいます」


「わかりました」


「まずは近くの『ミノタウロス』を倒してはいかがでしょうか?『ミノタウロス』は『帰らずの森』の中にある『迷宮ダンジョン』におります」


「あそこは盗賊達のアジトもありますよね?」


「少し前に王女が誘拐された事件があったんですが、その時盗賊達は失敗して見捨てられて今は残党達がいる程度ですよ。まあそれでも厄介なやつらですがね」


「そうなんですか。とりあえずSランクになれるように頑張ってみます。そういえば、フワドーさんの依頼書は何の依頼だったんですか?」


「ミノタウロスのツノとブルードラゴンのシッポ、岩イノシシの肉と眠らない羊の毛ですよ。ちなみに今ギルドに素材はないので誰かに取ってきてもらわないといけないです」

ギルド長はニッコリとした笑顔を浮かべる。


「偶然ってすごいですね!」

俺もニッコリと笑顔を返した。

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