20話
修行30日目
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俺は両手に風を集め威圧をかけて圧縮していった。
「射殺し、打ち殺し、噛み殺す風の牙『ゴルゴ・ダ・ファング』」
圧縮された風は具現化し、ドクロの牙が大人の7日ネズミに襲いかかる。
「わずか1カ月足らずでここまでやりおるとはな。ワシが教えれるのはここまでじゃ。後は自身が本質を理解し、力を使いこなせ」
「はい」
「『全ての知恵を理解できれば世界を制する事が出来る』『ブルーオウルを追い求めよ』」
「その言葉は商人の言葉では?」
「この言葉は世界の本質じゃ。本質を追い求めるならまずは点を理解しろ。その点をつなぎ合わせ線にして面にしろ。そして空間を支配しろ」
「はい」
「お主は純粋な心を持つニンゲンじゃ。闇に囚われるなよ」
「はい。俺はここであと2か月はこのまま修行して行きます」
「そうか。アルファもだいぶ強くなっているが手合わせをしてもお主もそれなりに戦えるだろう。共に成長し合える相手がいる事はいい事じゃ。頑張れ」
「はい」
「ワシは天空山に戻るぞ」
「はい」
こうしてアルファの爺さん、テンブ老師は山に帰っていった。
「よし、次は打撃を土属性にしてやってみよう」
俺は右手に斬撃の風を集め、左手に打撃の土を集めようとしたが、うまくいかず魔法は消滅してしまった。
「やはりこれは何度やろうとしても上手くいかないな。きっとまだ俺が本質を理解できていないんだろうな」
〜〜〜
天空山に帰ったテンブは独り言を呟いていた。
「やはり純金は素晴らしいな。あやつなら『ディオの力』を使いこなせるだろう。ディメンション・オペレーター『次元を操る者』時空の王、太陽の金猿。当たり前のように使っているアイテム収納の中は時が止まった世界。この本質に気づけば世界を制する事ができる。まずは空間の四方を理解し、時の次元である八方を理解出来なければ本質にはたどり着く事はできぬじゃろう。これでワシの余生の楽しみが1つ増えたわい。まだまだ死ぬわけにはいかぬな。ハッハッハッ」




