18話
「まずは風の本質を理解してもらおう。風と土は対となる存在じゃが、元は1つの存在で力の向きが違うだけなのじゃ。風の本質を理解できれば土の本質もわかる。風は離れる力、土は集まる力。この事を覚えておけ」
「はい」
「まずは先ほどのヒゲに魔力を通してみろ。空を飛べる事ができるはずじゃ」
俺はヒゲに魔力を通した。
「すごい、浮いた!」
「始めはそんなものじゃ。慣れて行くと自由に飛べるようになるじゃろ。次に『威圧』をお主にかけるぞ。ハッ!」
俺は地面に叩きつけられ起き上がる事ができなくなった。
「この状態から起き上がり、浮き上がるようになれば第一段階の修行は終わりじゃ」
そう言うと爺さんは『威圧』を解いた。
「お主にかけた『威圧』は10Gといったところじゃ。いつもアルファはこの状態で行動しておる。今回は修行だからアルファには20Gをかけるぞ。ハッ!」
「ちょっ!いきなり倍になるのかよ!」
アルファは辛そうにしていた。
「トリスはまず2Gで修行してもらう。この状態で7日ネズミを追いかけ回せ。行くぞ。ハッ!」
急に身体が倍の重さになり動くのも大変になったが、『風の白猫のヒゲ』のおかげでそれなりには動けていた。
こうして修行1日目は終わった。




