表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/104

11話

「落ちないようにしっかり掴まっていろよ」

白い猫はそう言うとものすごい勢いで南に向かい始めた。


人が歩けば1ヶ月はかかるであろう距離をわずか10分程度の時間で『天空山』の山頂までたどり着いた。


山頂は穏やかな心地よい風が吹き、草が波風を立てていた。


「もう少し歩けば王のところに着く。失礼のないように」


「わかった」


眼前には20メートルを超える白い猫というより虎の姿をした魔物が見えてきた。


「親父!こいつは俺の目を見えるようにしてくれた

ニンゲンだ!何か礼をしたいと思う」


「ニンゲンよ。息子の目を見えるようにしてくれて、まずは礼を言う。生後間もない息子の両目は白兎と名乗る者に奪われた。それからニンゲンは信用してはいないが、お主はどこか違う感じを受ける。お主はどうやって目を見えるようにした?」


俺は王に一通り説明をした。


「ニンゲンはそのような事ができるのか。白兎は我らの目の事を『エア・イリス』や『風の虹彩』と呼んでいたが、お主はこれについて何かわかるか?」


「ちょっとわからないな!ギルドで聞けば何かわかるかもしれない」


「そうか。お主には礼として7日ネズミをくれてやろう。ニンゲンにとっては貴重な素材だろう」


「ありがとうございます。後ここら辺に生えてる草ももらっていってもいいですか?『魔風草』という聞いた事のない草だから貴重な素材だと思うので!」


「よかろう!採取している間に7日ネズミは準備しておこう。息子よ、後は任せたぞ」

王は席を外した。


こうして俺は『魔風草』を採取し始めた。


「ネズミの準備は出来たぞ。お主もそろそろいいか?」


「大丈夫です。あと指輪をそのまま身につけてるのだと大変だと思って首に巻けるようにしておきました」


俺は白い猫の首に《観察眼》の指輪を取り付けた。


「すまないな。久しぶりだからか馴染んでないのかわからないがちょっと見にくい感じが残っているが久しぶりの景色は感動した。何か困った事があったらまた訪ねてくれ。力になるぞ」


「困った時はお願いします。そういえば名前まだ名乗っていませんでしたね。俺はトリスって言います」


「我が名前はアルファだ。それではお主を街の近くまで送ってやろう」


「お願いします」

俺はアルファの背中に乗り毛皮をしっかり掴んだ。


「落ちないようにな」


こうして15分程度で街の近くまで送ってもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ