102話
マリアは牛魔王と対峙していた。
「私の力を見せてあげるわ。私の力は『防御』、あなたの攻撃を全て受けて止めてあげるわ」
「やれるものならやってみろ!!」
牛魔王は手に持っていた『闘気牛刀』にオーラを込めた一撃を放ってきた。
「ハァーーー!!」
マリアは全身全霊を込めて威圧をして受け止めた。
「なかなかやるな。だがなぜ攻撃してこない?」
「あなたの力が必要だからよ。あなたの力がなければ地悟空には勝てないの!」
「地悟空はこの門の先にいるが、この門は誰にも開けさせない!」
「くらえ!闘刃乱舞」
先ほどと同じオーラを漂わせた何発もの攻撃を放ってきた。
「グッ!だがまだまだ!!あなたの力はこの程度なの?」
マリアは牛魔王の攻撃を全て受け止めて、牛魔王を挑発し始めた。
「ならば受けてみよ。全身全霊を込めた一撃、闘刃炎舞」
牛魔王の闘気牛刀は真っ赤に燃え上がり、そのまま一直線に振り下ろした。
パキンッ
マリアは極限まで高めた威圧で受け止め、闘気牛刀は折れてしまった。
「ここまでやられたら負けを認めよう」
「ありがとう。牛魔王、私はあなたを傷つけたりはしたくなかったの」
そう言ってマリアはギューと抱きしめた。
「私の力は『防御』でもあるし『愛』でもあるのよ」
マリアの深い愛に触れて牛魔王は涙を流していた。
「この力思う存分使ってくれ」
そう言って牛魔王の体は光に包まれ、マリアの中に吸い込まれていった。
「地獄の門は牛、12死獣の丑がその門を開ける時、扉は開く」
固く閉ざされていた扉は開き始めた。
そして中にはベルゼが待っていた。