101話
トリスはアルファに完成した真の賢者の石『マルチナ・ストーン』を見せていた。
「ついに完成したな、トリス」
「ようやく完成したぜ。今まで身が入った修行が出来なくて、すまなかった」
「気にするな。それより修行の仕上げと行こうか」
「明日に響かないようにほどほどにな」
「風水拳・人門・鬼人変化」
俺は素早く鬼の姿になり戦いの構えをとった。
「風水拳・天門、風門・双風天龍拳」
2匹の龍が渦を巻いてアルファに襲いかかった。
「まだまだぬるいわ」
アルファは光の速度で躱し、獅子の舞・獅子風迅で打ち消した。
「トリス、この程度ではまだお主は覚醒なぞ、しとらんぞ!」
「俺だってわかっているさ!!」
「お前は青龍の名を受け継ぐ者だろ!ならばその実力見せてみろ!!」
「青龍は蒼天の王、俺はその名を受け継ぐ者・・・俺は蒼天の王・・・イヤ、俺は青天にして星天、日と月に生きる晴天の王、晴天大聖だ!!」
トリスは青き光を発し始めた。
「風水拳・四門・輪廻天晴拳」
トリスはアルファに拳を向けたが、わざと外してみせた。
「覚醒出来たな、トリス」
「ありがとう、アルファ」
こうして長い夜は明け、決戦の日が訪れた。
〜〜〜
俺とアルファは南の王国に着いた時には、すでにマリアとテウスは待っていた。
「2人とも遅いぞ!」
「すまないな・・・さっそくだけど迷宮ダンジョンに行くぞ」
〜〜〜
4人は迷宮ダンジョンの奥に進み、最奥のところまでやってきた。
最奥には1人のミノタウロスが立っていて、その奥には大きな扉があり、その扉は固く閉ざされていた。
「我はミノタウロスの特殊個体『ゴズ』にしてミノタウロスの王、牛魔王なり」
「あなたが牛魔王ね、私の名前はマリア。私と勝負してちょうだい。みんなは手を出さないで!」
「手を出さないのはいいけど、マリアどうした?」
「私の技はまだまだ不完全なの。牛魔王の力を持って完成するわ」
「そう言う事なら手出しは無用だな」
「ありがとう、みんな」
そう言ってマリアは1人で牛魔王と対峙した。
「1人で来るとはいい度胸だな!お主の力を見せてみろ」
こうしてマリアと牛魔王の戦いの火蓋は切って落とされた。