1話
13歳に行われるスキルを授かる成人の儀式
誰でも手にする7つのスキル
【攻撃】のスキル
【防御】のスキル
【魔法】のスキル
【生産】のスキル
【特殊】のスキル
【観察眼】のスキル
【運び屋】のスキル
僕も名を残すような勇者になる。そう思って今日まで過ごしてきた。
僕の名前はトリス。幼い頃に両親を亡くし、今は隣に住んでいる道具屋を営む幼馴染のマリアの家にお世話になっていた。
「今日からお前たちも冒険者になるんだな」
マリアの父、ゼウスが口を開いた。
「早いもんであれから5年も立つんだな」
僕が8歳の時に僕の両親とマリアの母はSクラスのモンスターから街を守るために戦い、亡くなっていた。
「じゃあそろそろ僕達行ってきます。マリア一緒に教会に行こう」
「お父さん行ってきます」
こうして僕とマリアは教会に向かった。
教会に着くと先に来ていた人から順番に儀式は行われていた。
「あなたに神の御加護がありますように」
あたりが光に包まれる。
見てみるといつも僕をいじめるベルゼの番だった。
「僕の【特殊】スキルは《英雄》です」
あたりがざわめき始めた。
《英雄》スキルは1万人に1人と言われるレアスキルでスキルレベルを2倍にする効果があるスキルだ。
ベルゼは勝ち誇った表情をしながらこちらに近づき話しかけてきた。
「お前らにも俺みたいに神の御加護があればいいなあ」嫌みったらしく言ってきた。
「マリア行こう」僕はマリアの手を引き教会の中に入っていった。
「私あの人大嫌い」
「落ち着いてマリア。次はマリアの番だよ」
マリアは神父さんの前に立った。
「あなたに神の御加護がありますように」
あたりが光に包まれる
マリアはびっくりした表情をしながら宣言した。
「私の【特殊】スキルは《勇者》です」
周りにいた人から大歓声が上がった。
《勇者》スキルは100万人に1人と言われる超レアスキルでスキルレベルを4倍にする効果があるスキルだ。
そして《勇者》スキルは全てのスキルを所持しているといった特徴もある。
例えば【攻撃】スキルならば、《斬撃》《打撃》《射撃》《魔法撃》の4つのスキル全てを所持している。
「次はトリスの番よ。頑張ってね」
マリアが優しく微笑んでくれた。
「あなたに神の御加護がありますように」
あたりが光に包まれる
僕は自分のスキルを見て訳がわからなくなって宣言した。
「僕には【特殊】スキルがありません」
周りがベルゼの時以上にザワザワしだした。
神父さんが困惑した表情を浮かべ話かけてきた。
「【特殊】スキルがないってどういう事ですか？」
「【特殊】スキルどころか【攻撃】も【防御】もなく、あるのは【運び屋】スキルだけです」
僕は今起こっている事が理解できなく見えている現実をありのまま話をするだけだった。
〜〜〜
こうして最強の運び屋トリスの伝説の物語の幕が上がった
