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おっさんと共戦者

お読み頂きありがとうございます!

― ソルモン平野 ―


 ―戦場におびただしい程の血糊が付着し苦悶の声が木霊していた。

 

 あるものは腕を噛み千切られ、足を切り裂かれ、首元を抉られる。

 

 またあるものは耳たぶを削がれ、目玉をくり抜かれ、舌を食べられる。

 

 帝国領土に存在するモンスターの性質は王国側へ攻め入るモンスターと異なり、

 

 その対処に追われる兵士や冒険者の精神を擦り減らしていた。

 

 ・・・しかし、そんな中にも光はあり、とある時点より領土に攻め入らんとするモンスターの数が減ってきていた。

 

「オラッ!」


 聖剣使いとして帝国随一の馬乗りでもある冒険者、セドラー・アンデットキリングナイト。

 

 その手にマナをひと度消費すると、そこに顕現する聖剣を使い、目の前の範囲180度に空間斬撃を放出すると、

 

 骸骨、刀身ゴースト、ゾンビゴブリン、ワイバーンゾンビ、といったモンスターを斬り飛ばしていく。

 

「女神の恩恵にして、癒え賜ん!【ケアリーウィンド】!」


 ―眩き光が天より降り注いだかと思えば戦場に優しい暖かさのある風が舞い、

 

 ヴィーナス・フィフィス・マナ・ヴァルキリアの放つ魔法が味方を癒し、敵を溶かす。

 

――

 

 【ケアリーウィンド】

 アンデッドモンスターに強い効果のある治癒の力を風属性と合成した魔法である。

 味方の傷付いた身体を少量癒し、アンデッドモンスターを浄化する力を持っている。

 

――


「「「おおお!!ヴィーナス様ありがとうございます!」」」


 あちらこちらから感謝の声が飛んでくる。

 

「俺達だってやれるんだ!おらーー!!」


 手にもった槍を突き出し、戦場に忍び寄るゾンビゴブリンの身体を突き破り、核となる心臓にとどめを刺す。

 

 一人の兵士がそれを成し遂げると、更に一人、二人とその数が増えていく。

 

 10万人以上いたモンスターも今はその数を半数近くまで減らし、

 

 帝国側に優位な戦況にまで進んでいた。

 

「―!っあれは?!」


 一人の冒険者が戦場に進軍するモンスターの奥よりゆっくりと近づく強大な敵を発見する。

 

 「・・・魔人のようだな」

 

 冒険者の声にたまたま近くいたヴィーナスが反応を返す。

 

 王国側に現れた変異体魔人と思われしき個体が今度は10体以上攻め入らんとしていた。

 

 ―とそんな時、声が近寄ってくる。

 

「おーい、そこの強そうな女の人!ちょっと待ってくれ!」


 ヴィーナスが魔人に対しミスリルソードの一閃を加えようと態勢を取っていたが、

 

 突然聞こえるその声に身を震わせ、手を止める。

 

「ふふ(どうやら来たようだな転生者)」


 この5年間を待ったヴィーナスにとって、渉の転生は願ったり叶ったりの待ち人であった。

 

 そのやりとりについては後にしようとヴィーナスは渉の到着を近寄るアンデッドに剣戟を飛ばし、その数を減らしていく。

 

「っと、おおー飛ぶ斬撃かー戦乙女って感じでカッコいいなw」


―タッタタッ


「初めまして、私は冒険者の渉と申します。訳あって、あの魔人は保護する対象である事を王国の王様より許可頂いてますので、あの魔人に関しては私目にお任せ頂きたいのです」


―ッ


「―何を馬鹿な、急に現れたかと思えば、貴様に何が出来る!!相手は魔人なんだぞ!」


 一緒にヴィーナスと戦っていたセドラーが渉に吠える。

 

「ふむ。確かに突然現れた人間を信用しろというのも無理はないな。なら、こうしよう!ッ!」


 おっさんの言動にセドラーの苛立ちある態度に、見せるが易しと判断した渉は目の前に進軍しつつあるアンデッドに向け錬成スキルの魔法の一つを行使する。

 

 全身に火、水、風、土、光、闇、重力の属性魔法を纏わせると、刀に力を込め鞘の中で金切り音を響かせる。

 

「彼の技は威力がありすぎるので、少し離れていた方がいいですよw」


―ッタタッ。ッタ。


 王国側金色勲章持ち冒険者フィールド・ソードナイト・ダルイド。


 そして、黒色勲章持ち冒険者ラモンが渉の近くに到着する。


 2人はその場にいる冒険者や兵士に下がるように誘導していく。

 

「あーラモンさんとダルイドさん、ありがとう!!それじゃあ行きますね!・・・フンッ!!」



―ギャーンッ!!



「「「 -ッ!! 」」」


 おっさんの鞘内での金切り音が解放されると同時に辺りに暴風が舞い、


 刀を抜いた瞬間にバチバチと刀に纏わりつくその威力が周りにいる者を驚愕させる。

 

「素晴らしい・・・(これだけの属性魔法を簡単に行使するとはw女神様、この度の転生者頼もしいですわ)」


 周りの者が驚いている中、ヴィーナスだけは冷静に渉の行使する力を冷静に見極めていた。

 

「へえ、あんた俺が何しているか分かるんだな・・・まっ後でいいやw」


 渉はヴィーナスの渉を観察しつつ頷いている様を見て、只者ではないと判断する。

 

「では、これをぶっ放しますので、巻き込まれないようにしてくださいねッ!!!」



―ッ!!!!



 渉が刀に込められた力の奔流を前方より近づくモンスターの大群にぶっ放すのであった・・・。

 

――


 ―次回に続く!

おっさんが女神の使者と出会いましたね。この先どのような展開になるのでしょうかね。


私も楽しみです!


また次回もお楽しみに!!

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