第4話
「諸君、只今より部隊の志願を始める。各教官の前に並べ!」
アナウンスが終わるとその場がザワザワと騒がしくなった。シドとルイスは言われた通り近くにいた教官の列に並び始めた。そしてまずルイスの順番になった。
「名前と志願する部隊を言えっ!」
「はい!私はルイス=クラウン。天使部隊を志願します。」
「よし、がんばれ。はい次!」
「はいっ!僕はシド=ブランケット。美味しいご飯がみんなの笑顔を…」
「お前はチビだから天使部隊なっ!はい次っ!!」
((無視〜!?))
とにかく天使部隊に配属されることになった2人。まずは基礎体力向上のための訓練や政治、天使、武器についてのお勉強をしました。真面目で好成績のルイス。怠け者で除隊ギリギリのシド。その飛び抜けた成績で訓練生の中でも2人は有名人となった。
そして今日は待ちに待った天使の操縦訓練の日である。集まった生徒に教官からのレクチャーが始まった。
「今日は操縦から武器の扱い方まで教える。今まで学んできたことをよく思い出せ!お前たちが操る天使にはガトリングとミサイルが搭載されている。訓練用に火薬量は減らしてあるが本物だ。下手したら命を落とす事もある。くれぐれも気をつけて扱え!それでは始めろ。」
その場には5機の天使が、訓練生は約30人。1機につき6人の計算となる。シドは右端の列の1番最後、その前にルイスが操縦することになった。
「いよいよだな、シド操縦の仕方をちゃんと覚えているか?シンプルだから大丈夫だと思うけど…」
ついに天使に乗れると興奮しているが、ルイスは自分よりもシドの心配をしていた。
「もちろん問題ないよ!シートに座って、ベルトを締めて、安全確認!後は適当にその場のノリで…えへへへ。」
不安…。
ルイスを含め、その会話を聞いていた生徒たちは皆心の中でそう思った。
「どうしたの?訓練なんだから気楽にやらなくちゃ~♪」
気楽過ぎでも問題だ。
相変わらずのんきでマイペースなシドと会話しているうちにいよいよルイスの順番となった。
「よし!次の奴乗れっ!」
「はいっ!ルイス=クラウン、よろしくお願いします。」
「ルイス~がんばり過ぎずにがんばれ~。」
難しい励ましだ。
そんなシドの激励は置いといて、訓練は始まった。内容は搭乗から発進準備、歩行、射撃の3つである。全てインカムからの教官の指示のもと行われた。
天使はハッチから搭乗するまさにガン〇ムと似た構造である。ただあんな8等身ボディではなく、サイコロに手足が付いたようなものだ。生徒たちは普段から銃火器、トールガンの扱いは学んでいた。しかしそれは人が扱うものであり、比べようのない大きさと迫力に驚きや興奮を隠せなかった。そんな中、優等生のルイスは難なく全ての訓練をこなした。