第一話:異変
小説書くの初めてでまだ、話が急に飛んでわかりづらいとかのミスがあるかもしれません!感想、アドバイス、指摘待ってます!指摘があれば原則すぐに手直しします!
6月13日午前7時15分、山下賢人は家を出た。
梅雨前なのか、まだ春の風が心地良い。来週には梅雨前線が関東をおおうらしい。
賢人は現在高校生であり、学校は電車で5駅くらいのところにあるのだが、そんな事は賢人にとってはどうでもよかった。
単に近いからその学校を選んだ。もっと上の高校も目指せたらしいがそこはここから1時間以上かかる場所だった。そんな通学に自分の貴重な自由な時間を奪われたくなかった。高校は偏差値55くらいの学校だったから受験勉強はあまりしなかった。できないふりをしたおかげで、たくさん(言うほど出来ていない)の友達ができた。だが、日々が平穏すぎてもう自分でも暇をもてあましていることに気づいていた。
ーー僕は暇だ。高校選びを間違えたとは思ってないけど、それにしても暇すぎる。大体行事もそんなないし、授業は平凡。なんの面白みもない、至って普通の授業を受けるのが辛い。...何か刺激が欲しい、目の前で子どもが急に泣き出すとか、あのドジそうな女性が鞄を落としてプリントが全部飛び出すとか、そういうささいな出来事でもいい。とにかく刺激が欲しい...
学校の最寄り駅を出て、トボトボと学校の方に歩き始めたその時だった。
「よっ、誰かと思ったら賢人じゃないか。...どうした、その辛気くさい顔は。..さては、こないだの中間テスト悪かったなぁ〜」
「別に、そんなに落ち込むほど悪い点数じゃない。ただ暇なだけだ。それに健太、お前こそどうだったんだよ、あの中間テスト。お前もやべえ、世界史詰んだー 賢人、俺の墓前にはカレー添えてくれ とか意味わかんねえ事言ってただろうが。知らないとは言わせないぞ。」
「ふん、テストなんてそこそこ取ればいいんだよ。まっ、男は切り替えが大事ってもんよ。」
(さてはこいつ、フラグ見事に回避したらしいな。記憶の底に無理やりしまい込んでやがる。)
表には出していないが、さすがにこいつにも今回のテストは響いたらしい。切り替え大事とか全く気にしてないぜ的な事を言ってたのにもかかわらず俺、明日世界史復習するわとか明らかに引きずっている発言をした。(僕は全く大丈夫だけど)
「まあそんなことより早くいこうぜ、遅刻しちまう!」
そういって僕のとなりに並んだこのバカ(本人も認めているらしい)は竹澤 健太だ。同じクラスで休み時間中ずっと僕にちょっかいを出し続けている。
そうこうしているうちに学校についた。お世辞ありでも古そうな校舎に入っていった。
教室の中に入ると意外と新しい黒板や壁が目に入る。
この学校は校舎をいつまでもきれいにしない代わりに教室は5年に一度建て替えていて、特にここに力を入れているらしい。(そんな事するくらいなら校舎も建て替えろよ)
「おっはよー!賢人君元気?顔が暗いよ?」
そういって声をかけてきた彼女は山守 渚で学年で2位、3位を争うんではないかというほどかわいい。目を合わせるだけで不意に顔が赤くなってしまう。
「...賢人君顔赤いよ?」
「いや、なんでもないよ!それよりもうすぐSHRが始まる。席つこうか。」
「うん、そうだね!じゃ、席戻るね〜」
彼女や他のみんなが席につき、スマホをいじり始めたその時だった。
"ヴヴヴッー ヴヴヴッー"
その音は僕に異変を知らせた。まるで退屈していた自分に答えるように。
突然僕や他のみんなの携帯電話からバイブ音が一斉にに鳴り始めた。
「うわ、何だよこれ!」
「きゃー、何で一斉にバイブ音が鳴るのよ!」
「誰だよ、新しいイタズラか?」
クラスに悲鳴が響き渡る。どうやら他のクラスや学年でもそういう事が起こっているらしい。
「おい賢人、どういう事だよこれは!」
健太がパニックに耐えられず、僕に聞いてきたが僕にもわからない。一体何が起こったのだ。
「僕にもわからないよ!とりあえずスマホを確認してみる」
スマホを起動し、確認したら、スマホの画面にははっきりと赤い文字が表示された。どうやら、僕のも含め、何者かによってハッキングされたみたいだ。スマホはその赤い文字を表示したまま、操作しようとしても反応しなかった。
そして赤い文字を読み上げてみる。
「the real werewolf game...リアル人狼ゲーム..?」
「おい、何だよそのゲーム!聞いた事あるのか?」
「いや、ない。何者かによってゲームに強制参加させられるみたいだ!」
健太が絶句する。いや、それだけではない、おそらく他のクラスや先生たちも絶句するほど驚いただろう。無理もない、いきなり平穏な朝にスマホをハッキングされ、これからゲームに参加しないといけないのかも知れないのだから。
それにしても先生たちが遅い。一体何をしているのか...
突然の事にみんなが耐えきれなくなってきた頃、ようやく先生が現れた。
「皆さん、落ち着いてよく聞いてください。今日の午前8時頃、我々教員のパソコン、携帯電話が何者かによってハッキングされました。現在、我々は公衆電話も使えず、外部(教育委員会)と連絡が取れない状況です。皆さん混乱していると思いますが、しばらくここで待機していてください。犯人側からそういう指示がありました。」
はっ?なんと警察や政府の情報機器もハッキングされたらしい。
警察や政府のセキュリティをかいくぐるとは犯人は一体どんな奴なのか。そしてその目的は一体何なのか。気づいたらしばらく建物の中で待機せよという文字が浮かんでいた。
しばらく僕は唖然として動けなかった。
ーー場所は移って東京某ビルの最上階。
「ついに、俺のゲームはスタートした!世間よ!恐れ苦しむがいい!俺が人類を終わらせてやるよ!政府よ警察よ、お前らは指をくわえて見てればいい!もう俺の計画は誰も止められん!クククッハッハッハッ!!!」
男は怒号と悲鳴が交じる東京を見下ろしながらいつまでもあざ笑っていた。
いつもは鳴り響く捜査本部の電話が鳴り響かない。そう気づいた吉田 悠太は捜査資料に目を通す。そうは言ってもせいぜいあるのは5ページくらいだった。ハッキングによってパソコンと携帯電話を掌握された今、全く捜査本部は機能していなかった。なぜこうなったのか吉田には理解できなかった。ただ朝8時頃に携帯がハッキングされ、あの赤い文字が携帯の画面に表示されただけだ。吉田にはその赤い文字が不吉に思えた。
吉田はもう3年も刑事をやっている。俗にいう「刑事の勘」というものは備わっていた。その勘は吉田に大量無差別殺人を伝えた。まだ死傷者は出ていないが、吉田ははっきりとこの勘が正しい事を確信した。
根拠が2つ。1つ目は、人狼ゲームはただのゲームだが、死者が必ず出るゲームである事。もう1つ目は、こんな世界中で拡散されそうなウイルスシステムを1人では絶対にできない事。必ず複数人でやるものを作っているのだから、大きな組織が絡んでいると確信した。
ここは警視庁。桜田門の近くに位置するこの建物は、日本の警察の総本山、つまり変な組織や爆弾、パソコンがハッキングされるなどはあってはならない場所である。なぜ、よりによって警察のセキュリティを突破するウイルスを開発できる天才ハッカーなどこの世に生まれて来るのだろうか。全くもっていい迷惑だ。と、薄っぺらい捜査資料に目を通しながら犯人はどういう特徴か、容姿は、犯行動機は..といろいろ考えていたら、急に「おい、吉田!」と声をかけられた。
「何ボサっとしているんだ!考えてる暇があったら動け!」
「申しわけありません。すぐに聞き取りに行ってきます。警察まで狙われたんです。もしかしたら不審人物を見かけた者がいるかもしれないので探してきます。」
「ふん、これだからゆとり世代は。」
そういって先輩は立ち去っていった。あの先輩は普段全く動いたりしていないくせに後輩をいじるのは好きらしい。まったくもって邪魔にしかならない先輩だ。庁内ではいつか減給処分が下されるかも知れないと最近では悪い意味で注目の的だった。(本当にくるかもしれないな)
ーー戻って教室では喧騒や怒号で埋め尽くされていた。無理もないだろう。おそらく今、世界中は混乱し、この教室よりも大きい怒号が響いているに違いない。
ふと、賢人は窓の外を見た。カラスの群れが大声でわめいていた。まるで、この後起こる事をあざ笑うかのように...
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