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カニエビ合戦  作者: クマニモ・アイウォア・ナタデココ・リンカン・かいや
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第5話 〜一筋の光〜

これはリレー小説第5話 かいやさんによるものです。

時間はさかのぼり前日の夜。

「かいやよぉ戦争といってもどうやって戦争を起こす気だ?」

かいやはフードの下で不敵な笑みを浮かべる。

「私達二人じゃどうしようも無いので今回の戦争ガンベロ国に先陣を切ってもらいます。200年もの間続けてきた貿易を突然打ち切られたことに不安を持っている様子でしたしね。」

「ガンベロと言ったら頭のいい軍師がいるそうじゃないか 名は何と言ったかな…」

キャンプ場にしばしの沈黙が走る。そこでかいやが口を開く。

「彼の名はイデアル一夜にしてガンベロを大国にした男です。ガンベロに勝ったのは長いグラーキョの歴史の中でも一回限りです。」

「なるほど 私とそいつがいれば敵なしか」

かいやが続ける。

「ですが油断は禁物ですよ。まだグラーキョには聖騎士団、魔術師団が共に健在です」

「ほうまだ聖騎士団が健在か…部下達の顔が浮かぶな」

しむは少し微笑む。

「彼らが心配ですか?」

「いいや。奴等の事なんざ今更どうでもいいさ」

「そうですか それでは心置き無く戦えますね」

しむは少し考えて

「どうせ明日も早いんだろ?もう寝ようぜ」

「ええそうですね 明日はガンベロの大佐と対談があるので早く出ますよ」

「そうか」

そう言い残すとしむは自分のテントの中に消えていく

「さぁここからだ…」

かいやは不敵な笑みを浮かべる。


「どういうことザニ!なぜ裏切り者が王宮にいるザニ!」

一人の兵士が声を荒げる。

「これは失礼 私は十三支ナタデココ・タヌポン様の指令により参上したまでです」

「っ…だが十三支はすでにしむに殺されたザニ!」

あたりに不穏な空気が漂う。

「そうですか 彼はもう…十三支がいないとなるとかなり不利ですね」

「お前がもっと早く来れば助けられたはずザニ!」

兵士は興奮が収まらずにせいを罵倒し続ける。

「静まるザニ!」

大広場に静寂が取り戻される。

「今は人を咎めるよりどう反乱軍に打ち勝つかのほうが大事ザニ」

そこにアイウォア王が現れた。

「そうですよ!今はみんなが団結すべきなんじゃないんですか?」

リンカンも必死にみんなを説得する。

すると突然扉が開く。

「大変です!ガンベロ軍がもう20㎞まで迫っているザニ!」

「総員戦闘用意ザニ!聖騎士団、魔術師団ともに配備!魔術師団はせいさんの指揮に従って動くザニ!」

「ですが国王!このような裏切り者に指揮を任せるなど正気ザニか?!こんな者に任せたら3年前の事件のようなことが起きかねないザニ!」

「これは国王命令ザニ!それでも聞く気がないザニか?」

兵士は少し黙る。

「わかりましたザニ。この件は私が取り乱しましたザニ。今からは王国を守ることに専念しますザニ」

「聖騎士団A、B、C、D隊は前線で国を守るザニ!E、F、G隊は城の前を全力で守るザニ!」

『はっ!』

「魔法師団A、B隊は聖騎士団の後ろで火力補助ザニ!残るC隊は負傷者の手当てをするザニ!」

「アイウォア王の指令しかと受け止めました」

アイウォア王は唾を飲む。

「せい魔術師団長頼んだザニ…」


「ガンベロ魔術団はエレメント生成状態で保持!いつでも開放できようにしておけ!」

かいやが大声で指示をだす。

「ずいぶん様になってますね かいや殿」

「これはイデアル様ありがとうございます。」

かいやは深々と頭を下げる。

「それよりイデアル様がなぜこんな前線に立っていらしゃるのですか?」

「軍師たるもの実際の戦況をみて判断しようと思いまして。それと様はやめてください なれないものですから」

「そうおっしゃるならやめましょう」

「かいや魔術師団長相手が我々の存在に気付いた模様です」

「了解したエレメント発射準備!」


『発射!!!』

ガンベロ軍の怒号を合図に戦争が幕を開ける。

無数の火の玉が城に目掛けて飛んでくる。

するとせいが手を振る手の動きと共に半透明の幕が王国を覆う。

魔法と結界が相殺してひらひらとピンク色の粒が舞う。

「全軍突撃‼」

『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』

ガンベロ軍が国境を越え進軍してくる。

グラーキョ軍の聖騎士団とぶつかり交戦が始まった。

「さぁて俺もやるか」

じゃりんと音を鳴らし腰から剣を抜く。

「はぁっ!」

しむが前に飛ぶ目にも止まらぬ速さで前方兵士の首を跳ねる。赤い鎧がさらに染まる。

「裏切り者だ!こいつを殺せ!」

「こいお前ら!血祭りにあげてやる!」


ガンベロとグラーキョの交戦が始まって3時間がたとうとしていた。

前線で戦ってるしむのもとにかいやが現れた。

「しむそろそろ移動しますよ」

しむがかいやのほうに振り向く。

「移動いったいどこにだ?」

「王宮の中です。アイウォア王を捕虜として捕まえそれを口実とし王国転覆をはかります」

「わかった移動しよう。だがどうやって移る?門の前には大量の兵士が待ち構えているぞ?」

かいやはフードの下で笑う。

「転移魔法を使います。少々体への負担が大きいですが大丈夫でしょう それではいきますよ」

かいやとしむが光に包まれる。


王の間にせいが現れる。

「アイウォア王 わが軍徐々にですが押されつつあります」

「大変ザニね…対策を打たないとザニね」

せいは少し考えた後に口を開く。

「やはり試してみるしかないようですね…」

「何をザニ?」

せいは一瞬迷ったようだがすぐに続ける。

「アイウォア王貴方を試します。王国を救う救世主なのか何もできないただの人間なのか」


「ここは…」

「ここは王宮一階第二倉庫です」

しむはあたりを見て頷く。

「第二倉庫…ずいぶん物が増えたな」

「ここの倉庫の裏口の近くに王の間がある四階に一番近い通路があります それでも多少は歩きますが」

「そうか なら急ごう」

かいやが裏口の扉を開ける。

照明の明かりで少し目が眩んだが気にせず進む。


(ここにあいつらが来るのか)

三階大通路で一人座っているのは現聖騎士団長クマニモだ。

(せいさんの助言でここにいるが奴らは一向にあらわれない…)

クマニモはかれこれ一時間ほど待っているのだ。

「ちっ暇だな」

彼はこう毒づきながら一時間を過ごしてきた。

ざっざっと足音が聞こえてくる。

「ん?おぉやっとお出ましか」

通路の奥からしむとかいやが現れる。

「やっと悪役のお出ましか」

クマニモが大きな声で叫ぶ。

「お望みどうり参上したぜ」

しむも負けずと声を張る。

「かいや ここは俺の番だ。お前は早くアイウォア王を捕まえてこい 避難されたら大変だ。」

「ですがしむ 相手は今の聖騎士団長です 一人では…」

じゃりんと歯切れのいい音を鳴らし紫色の鮮やかな剣を抜く。

「最強騎士をなめるんじゃねぇぞ 底力見せてやるよ」

「そうですかそれでは頼みましたよ」

かいやがクマニモの後ろに転移する。

「行かせるかっ!」

クマニモが地面を蹴りかいやを追う。それよりも先にしむがクマニモの前に回り込む。

「おっと先輩を無視か?おいクマニモ久々に手合わせと行こうじゃないか」

「私にはそんなことをしてる暇は無い!そこをどけ!」

しむは怯まず続ける。

「どのみち俺を倒さないと進めないぜ?」

クマニモは観念したように力を抜く。

「仕方ないな。あまり無駄な体力を使いたくなかったが」

クマニモは腰から赤く細くかつ美しい剣を抜く。

「ふっ!」「はぁっ!」

しむとクマニモが同時に飛ぶ。

十メートルの距離を一瞬で詰める。

剣と剣が交わり火花を散らす。

しむのほうが反応が早く次の攻撃を繰り出す。

クマニモはこれをバク転して回避するが美しい髪に刃が擦れる。

また二度三度剣を交えつばぜり合いに持ち越す。

「なぜあなたほどの人が王国転覆をたくらんだのですか?!」

剣は依然大きな火花を散らしいる。

「そんなの理由は一つだ!この王国が気に入らないからだ!こま王の代からこの国は狂い始めた!」

「それだけの理由で何億人もの人の命を危険にさらすのか!」

「神に祝福された伝説の騎士とまでいわれたあなたの力があれば王国は変えられたはずだ!」

「もう遅かったんだよ あそこまで腐った国はどうすることもできない」

「この…人でなしが!」

鍔迫り合いが終わりクマニモが連続でしむ目掛け剣で突く。

しむはこれをすべて捌ききれず頬を浅く抉る。

「そうだなもう終わらせよう…剣に宿りし龍ニーズヘッグよ!今こそ姿を現し私に力を貸せ!」

しむが掲げた剣から黒い何かが出てくる。

それはたちまち具現化し二本の翼を持った黒い龍の化身に代わる。

「私に宿り力を貸せ!」

龍の化身はしむの中に吸い込まれていく。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

しむの気配が一瞬にして変わる。

更に強く恐ろしくなる。

「これが龍騎士の力…」

しむが口を開く。

「俺は龍騎士ではなく聖騎士だ神に祝福されたな。こいニーズヘッグ」

しむが龍の名前を呼ぶとさらに力が増幅された。

「はぁっ!」

しむの斬撃がクマニモ目掛けて飛んでいく。

とんでもないスピードで剣で防ぐのが精一杯だった。

威力の強さあまりクマニモは弾かれ二十メートル後ろの壁に叩きつけられる。

壁には無数の亀裂が入りクマニモは口から血を吐き倒れる。

「強い…これほどの力があるとは」

「今のお前じゃ勝てない わかっただろ」

クマニモはのろのろ立ち上がる。

「確かに今の私じゃ勝てないだろう」

しむは嘲笑うかのように言う。

「命が惜しいならここから消えろ今は見逃してやる」

「そうだな 本当に今の私じゃ勝てないな」

「どういうことだ?」

クマニモはふらふらしつつも話を続ける。

「つまりはこういうことだよ…すべてを焼き尽くす灼熱の焔を纏いし焔龍ドレイク!今私に力を!」

クマニモの剣から火柱が立ち廊下の絨毯を焼き尽くす。

「くっ熱い!」

しむは後方に飛び火を避ける。

「我に宿れ!」

焔が凝縮しクマニモに集まる。

「なっ…」

しむが絶句する。

クマニモの剣はより一層燃え盛る赤に染まり火を帯びている。

「さぁ第二ラウンドだ」

「いいだろう望むところだ」

漆黒の刃と真紅の刃がぶつかりとてつもない衝撃波が城全体を襲う。

「なかなかいい線いってるな」

「そっちこそ!」

再び二度三度切りあい動きが止まる。

「これで終わりだな」

互いに剣を構えて見合っている。

はち切れそうな空気が続く。

「しっ!」「はっ!」

しむとクマニモが同時に切りかかる。

しむの肩からは鮮血が飛び出る。

クマニモはぐっと力が抜けたように倒れる。

「ふっ…神に祝福された…聖騎士でも…俺…には勝てなかったな…」

しむの肩からは血があふれ続けクマニモの意識は暗転する。


一方王の間の前にはかいやが立っていた。

「王の間か…久しぶりだな。さて王は元気でやってるかちょっくら様子を見るか」

かいやが高さ5~6mはあろう扉を易々と開ける。

そしてその中には…

「もぬけの殻?!」

中には豪華な装飾品、玉座、長いテーブルなどといった普通のものしかない。

「もう逃げられたっていうのか!くそっ!」

力任せに小テーブルを蹴ると粉々になってしまった。

「何でだ…地下の避難経路は爆破で壊したし表に出れば俺が張った結界の中に入って俺まで伝達されるはずだ」

かいやが必死に周りを見渡す。

「ん?」

かいやの視線が玉座のほうに移る。

「そこにいるんだろ?出てこいよ」

すると玉座の横から一つの人影が出てくる。

「お見事ですね。なぜわかったんですか?」

「単純にそこだけ違和感があったんでね」

せいはもう一度問いをかける。

「そうだな詳しく説明するとエレメント粒子の濃度がそこだけ高かった。呪文を詠唱するとその魔法に見合った量のエレメント粒子が必要になる。しかも体を隠すステルス魔法となると詠唱時にそこそこ大きい魔方陣が必要になるだろうな魔方陣というのは主にエレメント粒子を集め魔法を発動しやすくするために使うものだ 発動から四十分弱はそこに粒子が集中して集まる。だからいると思ったんだ」

「なるほど賢い推理ですね。それしてもあなた何者ですか?ただ者ではないですよね」

「私は表向きは国王秘書となっていますが王国で三本の指に入る魔術師です」

せいが声のトーンが若干下がる。

「そうですか…」

せいがぼそぼそ何か言い始める

「何を言っているちゃんと喋らないか?」

まだ何か言っている。

「おい!聞いているのか!」

「バースト!!」

かいやに向かって五つの氷が飛んでくる。

(くっそさっきのは詠唱か!)

素早くスライディングしかわす。

「不意打ちにも反応できるとは流石ですね」

「本当に…驚くだろうが!」

かいやがせいに突進していく。その手には焔が宿ってる。

「なっ無詠唱魔法?!」

せいは拳をぎりぎりでかわし後ろに飛ぶ。

「素早い状況判断に無詠唱魔法とは本格的に誰かわかんないなぁ」

「私は焔の魔法を得意とする。全てを焼きつくさせてもらおうか」

だがせいは首を横に振る。

「残念ながら貴方の命はここまでです」

「何を言って…」

かいやの腹を黄金の刀身が貫通する。

「これは…」

「アイウォア王抜けたんですね その剣をエクスカリバーを」

かいやの体からエクスカリバーを抜く。するとかいやは支えが無くなったかのように倒れる。

「貴様らの野望はここで終わりザニ」

「くっ…王も逞しくなられましたね…」

せいがかいやの腕に捕まり

「こいつを魔術結界牢に転送させましょう。」

するとかいやが光に包まれ消える。

「王よ よくやりました 後は軍を制圧するだけです」

「そうザニね あとひと踏ん張り行こうザニ」

扉を開け二人は戦場に消えていった。


その後ガンベロ軍は制圧 アイウォア王の活躍によって勝利を収めた。

まだ生きていたしむを捕らえ戦争が終わった三か月後に打ち首の刑に処された。

一方かいやはしむと同時期に王宮前大広場にて火あぶりの刑に処された。

その間に町はみるみるうちに復興し発展していった。

「せいさんその薬草セットをくださいザニ」

「おぉれんさんザニか。薬草セットザニね200ガニザニ」

「はい200ガニザニよ」

「ちょうどいただいたザニ!毎度ザニ!」

(にしてもあれから3ヶ月でここまで来るとは侮れないザニね)

こうやって平和な日々がまた戻ってきたのだった。

人々が安心して暮らせる世の中が。

だがこの裏で新たな陰謀が動いていたのはまだ誰も知る由が無かった。

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