第1話 〜王の政治の始まり〜
「せいさん、この赤色の薬草20束欲しいザニ。いくらザニ?」
「20束ザニ⁈れんさん、1000ガニだけど大丈夫ザニ?」
「ハイザニ。」
「わかりましたザニ。ちょうど1000ガニザニ。まいどありザニ!」
こうした会話が日常的に行われているのがグラーキョ国だ。このグラーキョ国では、カニが海から上がって進化したクラブが主な生物として生きており、独自の植生や言葉、貨幣などが生まれてきている。また、グラーキョ国の北部と西部はグール山脈の山々に、東部は唯一、ショゴース国という他の国と繋がっており、その国を介して様々な国と繋がり、交易や交流などを行なっている。そして、南部は[海の神]という意味を持つ、オーケニアス海に囲まれている。この海に面している港町の中で最大規模の街だったのがハスートだ。港町 ハスートでは、オーケニアス海を介して様々な国と交易に行くための多くの船が旅立ち、多くの船が交易のためにやって来る。この港を利用するものは必ず入港税がを納めることが義務付けられ、その2割ほどが西部のグール族に分配される。また、ハスート港の主な交易先としてオーケニアス海の100キロメートル先に行ったところにあるガンベロ国という国だ。この国はグラーキョ国のクラブのようにエビが独自の進化を遂げて繁殖し始めたプラーンが生きている。ガンベロ国のプラーンは、かなり頭が良く戦略的に物事を考えると言われている。注意しながら外交を行わなければすぐに足元をすくわれて自分たちが損をしたり、危険な状態になったりしてしまう。そのため、ほとんどの国からガンベロ国は危険視されて外交は慎重に行われている。
グラーキョ国はこうした様々な事情を持っている。そうした事情を持つクラブたちの頂点にいるのが第86代 アイウォア王だ。この王は、一年前に崩御した 第85代 コマ王の弟ガニで大きくなってからはらコマ王の良き相談役となっていた。しかし、このコマ王は子供ガニに恵まれず病に倒れてしまった。そこで弟のアイウォアが王位継承者となり王となった。アイウォア王は、薄々自分に王の座が来るのかもしれないと思っていたが、自分にはその荷が重すぎて務まらないのではと考えていた。しかし、王になってからはそんなことも考えてられず家臣の者たちと政治を行った。
そんな国で今、建国以来初めてカニたちの間で大きな溝が生まれ始めていた。その溝の大きな原因となっているのが、先代のコマ王の古い文化や仕来りを捨て、新しいものに積極的に変えて行くという改革だ。その過程でコマ王は、改革する必要のなかったものまで改革してしまった。例えば、200年前から続いていたガンベロ国との交易を、遠くて燃料となる石油の消費が激しいという理由で無くしたために、入港税が大きく減少した。また、東部の陸地の国々から観光地として非常に人気の高かった500年以上前の木造建築群を撤去したりして、観光者も減ってしまった。こうしたことがきっかけとなり、西部のグール族たちにお金が入らなくなり、財政が悪化して不満を募らせていった。
こうした現状にあるグラーキョ国だがアイウォア王は、(どうしたら西部のグール族たちの不安を収めて国をまとめ、今後どう国を運営していけば良いのかザニ)と思っていた。そして、アイウォア王は、(まだすぐには考えつかないが、いずれかはいい案がないと国が内乱に陥ってしまうザニ。早めに策を考えなければザニ)と思っていた。
そんなことを考えていた時、最高職につく家臣の1人である かいや がドアをノックして部屋に入ってきた
。かいやは、「王、間も無く最高職に就く者たちが集まる最高総会が開かれますザニ。準備をお願いしますザニ。」と言った。 アイウォア王は、「了解したザニ。準備をしたらすぐに行くザニ。後、グール族たちの不安をどう収めるかということも議題に追加しておけザニ」と早口に言った。 かいやは、「わかりましたザニ。すぐに追加しておきますザニ。」と言って部屋を出て行った。アイウォア王は、最高総会に必要な資料を持って議場に向かった。
議場の扉が開くと、中に全員が揃っていることが確認できた。それが確認できると、アイウォア王が「良しザニ。会議を始めようザニ。今日もよろしくザニ。」
そう言うと各職の者たちが揃えて「よろしくお願いしますザニ」と言った。それを聞いてアイウォア王は席に座り資料の中身を開いた。
補足
一ガニ100円くらいです。
赤色の薬草はグラーキョ国でしか取れない特産品で多く買ってく人もいます




