価値
私という人間は少しばかり捻くれているようだ。
自分という者を肯定する術がないから、私は人を否定し見下すのだ。
真に見下されるべきは私だというのに、愚かなことだ。
私の存在価値とは、自分より下の者をつくることで維持されている。
アレより上位にいるから、私は生きている価値があるのだと。
しかし、わかってはいるのだ。
自己肯定のできることがないから、人を下に見ているのだと。
もう知っているのだ。
下を見る私は、上を見据える彼ら下の者にも既に劣っているのだと。
最も深い下の方まで落ちたなら、また上を向けるだろうか?
私は今日も下を見て生きる。