88・企業秘密。
午後からは王太后さまが会いたいと言ってきたので囲碁に呼ばれてる
メイドさん達と王城まで出かけた。
大分通い慣れたのでほとんどノーチェックで入れてもらっている。
コレって警備的にはいいのかねぇ……
まあ、戦争は終わってるから警戒はゆるくなっても当然かもしれない。
王太后さまの話は「シュシュ」のコトだった。
囲碁に来ていたメイドさん達が付けていたシュシュを城の侍女さん達が
羨ましがったらしい。
「アレってゴムを使ってるのよね。
来たメイド達が全員アレを付けてたけど彼女達がゴムの製品を買えるとは
とても思えないのよ。
アナタがなにかしたんだと思うんだけど?」
あー……まだ試作品なんです。
メイドさん達には使い心地を試してもらってるんですよ。
ゴムの木は国境の森の南に生えてるんだそうです。
危険地帯なので取ってくるのも冒険者に依頼するそうです。
前世の世界だと技術で合成してましたのでココの錬金術師さんに依頼しました。
できましたがどれくらい持つかとか木から取れるゴムとの違いとかまだまだ
確認出来てません。
売ったりするにはもう少し試してみてからですね。
「試作品なのね。
売ってないなら持ってたらかえって自慢できそうね。
ウチの侍女達の分も造ってちょうだい。
みんな欲しいってうるさくてしょうがないのよ」
ゴムの値段が高いだけでそんなに複雑なモノでもないんですけど。
ちょっと縫い物が出来れば造れますよ。
侍女さん達は皆さんヌイグルミもパッチワークも出来るんですから。
「じゃあ、みんなに造り方を教えて行ってちょうだい。
ゴムの合成を錬金術でできるなんて知らなかったわ。
ソレって何から造ったの?」
企業秘密です! って言いたかったんだけどねぇ。
王太后さまが相手となると国家権力と戦うなんてことになりかねないよなぁ。
はい……長いものには巻かれておくのが一般人ってもんでーす。
「石油……ね。なるほど言い得て妙だわね。
アレの使い道があるなんて思ってもみなかったわ。
湧いてくるだけで困りものとしか思ってなかったし。
使い道があるなら教えてほしいわね」
あー……でもソレは全面開示なんてできないししたらイケナイと思う。
これからコノ世界のことを学んで影響の少ないところからちょっとづつ
ということにしたいんだ。
「ふ~ん……教えたらコノ世界にとって良くないコトもあるのね。
まあ、それじゃあ教えてもらえなくても仕方ないわ。
神さまにも何か言われてるのかしら?」
神さまには私のするくらいのコトじゃあ世界への影響は少ないだろうと。
なにしろココの世界に来た勇者達が既に色々やった後なので。
あ! ……『急がないように!』というのが主なアドバイスでしたね。
私は多分に急ぎすぎだそうです。
「まあ、まだ一応幼児なんですものね。
こんなにいろいろやってる幼児なんて居るわけないわよ。
自重しておくのも悪いことじゃないかもね。
ところでアナタの頭に付いてるのも錬金術で造ったのかしら?」
えっ?! 頭?
慌てて頭を探った。
そこにはミーアが付けまくったパッチンピンが外しそこなって残ってたんだ。
何でみんな教えてくれなかったんだよぉ~~(涙。)




