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761・成層火山(コニーデ)。

 「いいぜ。なんならお前をあそこまで連れてってやるよ。

飛ぶのは久しぶりだが、まあ落ちたりはしないと思うぞ」


まさかオッケーを出すとは思わなかったよ。

ダテさんが望んだのは火竜氏の旧居の火山に「ご神木」の神域を

設置してほしいということだった。


「ずっと森の中に居たからな。

お前の館とかリゾートアイランドとか出かけたら気分が良くてな。

火山と聞いてちょっとあの山を思い出しちゃったんだ」


あの山かぁ。

アレはまあ、特別な山だよな。

歌にも絵にもなってるしあの山を見るために訪れる外国人の観光客もいる。

なぜか飛行機から見るとあの歌が頭の中でリピートされ続けて困ると

言ってた奴もいた。

あの山の絵を見たこと無い人はあの国には居ないと思うね。


ということで火竜氏に旧居まで連れて行ってもらうことになった。

でもちょっと不安……

なんというか貧弱な印象のある火竜氏の翼だ。

ホントに飛べるのかなぁ。


「お前……思ってることが顔に出すぎだぞ! 失礼な! 

まあ、そう思うのも無理ないとは思うがな。

オレは翼だけで飛んでるんじゃあないんだよ。

翼は媒体で魔法で飛んでるのさ。

風魔法でな」


火竜なんだから火魔法だけかと思ったけど風魔法も使うのか。

風は空気の流れだから火には付きものってことだろうね。

大火事になるときは大抵強風が吹いてたりするし「火が風を呼ぶ」って

言葉もある。


オレも風魔法で飛べるけど目的地の火山までにはいささか遠い。

火竜氏の好意にあまえることにした。

背に乗せて貰って魔力の紐で自分を固定。

結界を強めに張っていざ! 出発! 


 オェ~~~~~~!

の、乗り心地最低ーーーーー! 

次回は絶対遠慮するうぅぅぅぅ~~!


「あー、すまん。

もっとゆっくり飛べばよかったかなぁ。

そう言えば誰かを乗せて飛んだことって無かったよ」


まあ、竜のイメージって唯我独尊だもんなぁ。

ご好意で乗せてくれたのに酔っちゃって済みません。

オレも竜に乗せて貰ったのって初めてでした。

ちょっと覚悟も足りなかったですね。



 無事に旧居の火山に着いて頂上の少しだけ風除けの有る位置に「ご神木」を

植えさせて貰った。

山は前世のあの山と同じコニーデ(成層火山)のようだ。

ダテさんは新しい「ご神木」の神域に飛んで来た。

山頂からの眺めは満足のいくものだったようだ。


暗い森の中であと千年は土地神をすることになっているダテさん。

ちょっとでも気の晴れる場所が増えたなら嬉しいなと思った。

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