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747・転生王女。

 牛肉モドキなダテさんの森の魔獣・アンドルー、通称ハンザキ。

見た目は前世むこうのオオサンショウウオだ。

そうして味は牛肉なんだよ。

そして先王弟殿下はそれを知っている。

カレーも牛丼もハンザキのお肉で作って食べさせたからね。


「アレはなかなか美味しかった。

ローストビーフ風に仕上げて寿司ネタにしてくれないかな。

田舎寿司も美味しかったけどもう少し動物性タンパク質が欲しくなったんだよ」


あー、なるほど。

そういえば日光に会社の旅行で行ったら精進料理のオンパレードだった。

結局帰りに皆で焼き肉屋に雪崩れ込んだっけ。

いや、美味しかったよ、精進料理も。

洗練されてるとも感じたし。

それでも皆「動物性タンパク質」が欲しいと思っちゃったんだねぇ。(笑)


まあ、無いなら仕方ないけれどハンザキは養殖に成功している。

ちょっと高めには違いないけど人気もあるのでまあまあ儲かっているんだよ。

先王弟殿下にはご満足頂けたようで内心ほっとしたね。


これで一件落着となったので気が抜けたんだ。

やれやれこれで暫く静かだろうと思ったよ。

ところが一週間もしないうちに先王弟殿下がやって来た。

もうこの国での用事は済んだんじゃあないんですかぁ? 


「宰相としての用事は済んだんだがね。

ちょっと手こずる案件が出来てしまってね。

君も私も転生者で彼女も転生者だから相談に乗って欲しいんだ。

まさかこんなに厄介な子だとは思わなかったんだよ」


そこに居たのは殿下が母親とともに西の国に引き取った北の国の王女だった。

う~ん、騒ぎを起こした彼女によく似てるなぁ。

なるほど、入れ替わりや影武者が勤まってた訳だ。

もう双子と言っても不自然じゃあないね。


それで私にどうしてほしいんですか? 


「ココが彼女の思ってる『乙女ゲー』の世界じゃあないって納得させてほしい。

色々言い聞かせたんだが全然納得してくれなくてね。

彼女の前世の記憶も私と同じで完璧なモノじゃあない。

その点、君は完璧な記憶を持っている。


前世の記憶に拘りすぎると目の前の現実をまともに見なくなる気がしてね。

コノ世界をちゃんと現実だと認識してほしいんだ」


随分と親切ですね。

姪に当たると言っても今回のことで初めて会った筈ですよね。


「同じ転生者ってこともある。

私の子供は全員娘なんだよ。

女の子はやっぱりココでは男の子より立場が弱いからね。

少しばかり同情も入ってるんだよ」


この世界は何処の国も男尊女卑の傾向がある。

北の第一妃様もこの王女よりは第二王子の方を大事にしていたそうだ。

それもあって前世のことにこだわってしまったのかなぁ。


落ち着きなく周囲をキョロキョロと見回している王女はイマイチ王女らしくないと

感じてしまった。

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