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741・最高権力者達。

 う~ん、なんでこの国に最高権力者が三人も勢揃いしてるだろう?

オリーザ王、北の国の国王、西の国アロートの宰相(先王の王弟)。


大使から報告を受けた北の国王はなぜかすっ飛んできた。

王様がそんなにヒョイヒョイ国外に出て来て良いモノなんだろうか? 

罠かもしれないのに……


それになんだってアロートの先王弟殿下まで来てるんだ? 


「問題の妃は私の叔母なんだ。

叔父上には妹なんだが嫁いだとは言っても一応アロートの王女だしね。

お互い迂闊な処分は出来ないんだよ」


事件の元凶は第二王子と第一王女の母であるお妃様だった。

北の国王様の尋問に彼女は素直に答えていた。


婚約の阻止、第一王子の排除、そして彼女への自殺の強要。

母親が人質になっているのだという。

なるほどね、自分の子供の第二王子に有利になるようにしたかったらしい。


偽物な彼女でもオリーザの王宮で死んだとなればコチラにも責任問題だ。

アロートの元王女なお妃様か。

前回のアロートとオリーザの揉め事についても思うところがあったかな? 


「ウチの国の連中は無駄にプライドが高いからね。

妙な風に仕返しを考えてたりするんだよ。

身内ながら面倒くさい連中だと思うね」


グラディス王子はなんだか他人事のように言う。

アナタには叔母上のはずでしょう?


「父の子供は多いんだよ。

でも男子は三人だけだった。

祖父も男子は三人だけであとは女子ばかりなんだよ。

顔どころか名前すら怪しい方々がゾロゾロなのさ。

他人のように思えても仕方ないと思うけどな」


母親は侍女だと言ってたけど実は認知されていない先々代の

王女だったらしい。

お妃様がぞんざいに扱ってたという話も聞こえた。

認知されていないというのは愛人の子供だったんだろうか。


暗殺者と言いつつ彼女には「殺気」が無かった。

つまり暗殺者を装って殺されようとしてたってことだ。

なんとか助けてあげられないものかとそのことを訴えた。

近衛の人達も同じ見解を披露してくれたよ。


北の第一王子は複雑な顔をしていた。

相手が女性で妹でも命を狙われたことにはかわらないからね。

王太子様は少なからず同情したらしい。

親しかった近衛が暗殺しようと襲ってきた経験があるんだから。


同じ王の子なのに認知すら公表されず挙げ句は暗殺を命じられた。

失敗したら自決するようにとまで。

しかも母親は人質状態だ。

逆らえるはずもないよな。


最高権力者達はまだ話し合っている。

こんな風に直接やり取りするなんてマレなことだろう。


王太后様が以前「皆が納得する道を探したい」とおっしゃったことがある。

そんな道ばかり有るはずも無いけれどそれでも「探して」ほしいと

手出しも口出しも出来ないのに願ってしまった。

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