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735・義足。

 ミーアは自分が突然眠ってしまったことをあまり気にしていなかった。

ヒゲのオジさん達が居なくなってしまったのを残念に思ったらしい。

なのでもう一日欠損部位の復活を実演させることにした。

患者を集めるのは簡単だったようだ。

でも、今日一日だけなのでできるだけ内密にしてもらったよ。


施術者が小さな子供だと知った患者達はお礼にとオモチャやらお菓子やら

もう山ほど置いていったんだよ。

誰がこんなに食べるんだ? 

ミーア一人じゃあ無理なので神殿の孤児院の子や勉強会に来ている子供達に

分けてもらったよ。オモチャもね。


木製の物がやっぱり多いけどチラホラと金属製の物も有る。

こういうところはやっぱりお国柄ってところかな。

ミーアが一緒に遊びたいと言うので孤児院の子供達と遊んだ。

ボール遊びはやっぱり人気だった。なので手持ちのボールは全部寄付! 

なぜかケン玉に夢中になる子がいたので技を色々披露した。

初心者を感心させるくらいはオレでも出来ちゃうもんな。


街に繰り出してお土産を山ほど買い込んだ。

おばあさまにまた叱られそうな気がしたけどコレは王太后様対策でもある。

あのお立場で買い物三昧となったら絶対陰口を叩くヤツが出るだろう。

でも献上品なら文句も付けられにくいだろうからね。


「オレが輸出のことで大わらわなのに買い物三昧ですか。

のんきなものですねぇ。

まあ、持ってきた酒を大盤振る舞いしたオカゲで順調に商談は進みました。

扱いたいという業者が殺到してるそうです。

ココのギルドがその辺りを調整してくれることになりました。

小さめの店を見本展示用に出すことにしました。

そこから各業者に卸します。

それで初回の希望量がこれくらいなんですけど……」


ひえ~っ! の、飲みすぎって言葉はこの国には存在しないのか? 

いくらなんでも多過ぎだろ! 

酒は仕込んですぐに酒になるわけじゃあない。

いま仕込んでる分の十倍近いってどういうことだよ! 


「あー、酒精の強い酒は傷みにくいですからね。

安くて美味くて傷みにくい、しかも売れるのが確実となったら

そりゃああるだけ買い込みたいって思いますよ。

まあ、この量を今すぐでなくても良いんです。

予約だと思えば良いんですよ」


錬金術をフル稼働させてもあんな量は無理だ。

でも予約なら今すぐ全量でなくて良いなら慌てなくても大丈夫だろう。



 帰国することを大臣閣下にお知らせして戻ろうとしたら部屋まで通された。

お忙しい方だからもう面会は遠慮しようと思ったんだけど。


「色々と世話になったからね。

それに帰国するならアイツに渡してほしい物があるんだよ。

もう気に病む必要はないから……とね」


それは箱入りになっていた。

大臣閣下がずっと使っていたという「義足」。

確かに立派な魔道具だけど……どうしてコレが渡して欲しい物なのか……

いくら考えても分からなかった。

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