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733・お叱り。

 私の美しい指たち。

もう元通りになることはないと……皆から諦めるようにといわれた指。

それが元に戻っている。

日がな一日、眺め、なで回し、動かしてみている。

まだ、少し違和感がありはするのだが。


3日ほどして神殿から神官がやってきた。

ふん! あんなガキにも出来ることを無理だと抜かした連中か!

イヤミの一言でも言ってやりたいところだな。


「施術のあと頂くことになっているお布施を頂いておりません。

どうかお支払いいただきたくお願いに上がりました。

よろしくお願いいたします」


やったのはあのガキでお前等じゃあないだろうが! 

しかもあのガキは「見習い神官」だった!

お布施など請求できる身じゃあないだろう!


「おっしゃるとおりです。

ですがあの場で治療をした患者は神殿で依頼して集まって貰った者達です。

閣下はそうではありませんでした。

オマケにあのちいさな聖女を恫喝して気絶させてしまわれました。

外国からの客でもある彼等にあんな扱いをされると困るんですよ。

お支払いいただけないなら宰相様にご報告させていただきますが?」


そういえばそんなことを言ってた気がするが……

ちなみに何処の国なんだ? 


「オリーザ国です。

あの国は魔王国と互角に渡り合った程の国なんです。

しかもあの子達は宰相家の子供達です。

オマケにあの国の旧都にある神殿の最長老様の弟子ときている。

人の国々に鳴り響くほどの方なんですよ、最長老様は。

欠損の復活術についても指導して下さるそうです。

なので閣下からお布施を頂かない訳には行かないんです」


宰相家の子供? 

二人ともか? 

タダの生意気なガキにしか見えなかったが? 


「聖女様は養子ですが彼の方は庶子ながら実子だそうです。

まあ、嫡子が居られるそうなので彼が宰相家を継ぐことはないでしょうね。

ところで御手に違和感はございませんか? 

施術後についての説明も聞かれずにご帰宅なさいましたよね。

彼が気にしてましたよ。

あのままだと自在に指が使えるまでに時間がかかりそうだと言ってました」


た、たしかに動きがひっかかってるような気がする。

左手の方がスムーズに動くのは仕方の無いことと思ってたけど……


結局、魔力循環や魔力マッサージを覚えさせられた。

その対価のつもりでお布施を払ってやった。

欠損復活の為の対価じゃあない、絶対に!

あんなガキのしたことに高額なお布施など払いたくないって思ったからな! 



 彼の欠損の復活は王宮の知るところとなりました。

なんと王太子様からお叱りが来ちゃいました。

王家の関係者とはいえ王族でもないのに外国人への態度がデカすぎるってことで。


「大臣が直々にお願いして欠損復活術の指導をして頂いたというのに。

戦争で国力が落ちているとはいえオリーザは強力な国だ。

復興のスピードも魔王国より速いらしい。

尊大な態度もいい加減にしておきたまえ!」


ヘンリー君が施術した人の中に王太子様の友人が居たようで彼のことは

全部ばれちゃってたんですねぇ。

お気の毒さまデス! 

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