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732・リハビリ代わり。

 執事・タクサス氏にミーアを託して兄達と供に退出させた。


「何をやっている! 私の欠損を治せるのはあの娘だろう! 

退出なんてさせずに目を覚まさせろ!」


目覚めても彼女に治療は無理ですよ。

特にアナタ様の治療はね。


「なんで私の治療が無理なんだ!

ココに居る連中なんかよりずっと重要人物なんだぞ! 私は!」


あの子はまだ三歳です。

大人の事情はまだ理解出来ておりません。

なのに最初から怒鳴られたら怯えて当然です。

彼女は以前治療を強制しようとした貴族に拉致された経験があります。

トラウマなんですよ。

特にアナタ様はヒゲもありませんし。


そうなのだ。この国はドワーフの国なので男性のヒゲ率が異常に高い。

大臣を治療したいと言い出したのも彼が立派なヒゲ男だったのも有ったと思う。


「ヒゲがなんだ! 

私の体質をばかにしてるのか? 

ガキだからって侮辱は許さんぞ!」


別に侮辱したいわけではありませんよ。

まあ、コレを見て下さい。

オレは達磨ダルマの起き上がり小坊師を出した。

コレは瞑想をする修行僧が悟りを開くのを模したオモチャです。

女の子は普通もっと綺麗な物や可愛らしい物をオモチャにしたがるんですが

彼女が選んだのはヒゲもじゃのコレでした。


彼女の父親はもう亡くなってますがヒゲもじゃ男だったそうです。

だからヒゲが有った方が好感度は高いんですよ。

それにアナタ様は拉致犯に似てますしね。

治療には集中力が大事なんです。

アナタ様相手では強制しても無理ですね。


「コイツ等の治療は出来ても私の治療は無理だと言うのか!」


そうです。出来ることが飛び抜けていてもまだ三歳なんです。

まだまだ不安定要素も多いんですよ。

強制的に治療させて失敗してもよろしいんですか? 


「……………・

ガキのくせに随分と達者な物言いだな。

あの娘は三歳か……お前は五歳ってところだろう。

もしかしてお前も治療が出来るのか?」


ええ、出来ますよ。

ただし、私は彼女と違って天才じゃあありません。

治療結果にご満足いただけるかどうかは自信がありませんが? 


横暴貴族は喜色満面な笑顔を見せた。

まったく自分の思うことは全部通ると思ってるヤツそのものだね。


わざと失敗してやることも考えないでも無かったけどね。

後が五月蠅いのもこういう連中だからなぁ。


欠損は右手の掌から半分だった。

勿体ぶって時間をかけてしかも小休止まで入れてやった。

勿論「早くしろ!」と怒ってたけどね。

だから天才じゃあ無いって言ったでしょ! 


術後を良くする魔力循環とか魔力マッサージの説明は省いた。

さっさと帰るお貴族様が居なくなったら残った人達を治療する。

勿論、時間は掛けないでサササっと済ましたよ。

神官様達も含めて驚いてたけどね。

あの方にワザと時間をかけてたのは内緒にしといて下さいねぇ。

ちゃんと皆さんには魔力循環と魔力マッサージを説明しますから。


これらをすると再生させた部位が馴染みやすくなるしリハビリ代わりにも

なるんだよ。

あのお貴族様が気付くまでどれくらいかかるかな? (笑。)

まあ、ちょっとだけ不便な思いもするだろうけど欠損のままよりはマシだよね。

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