表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
733/770

730・伝授依頼。

 ミーアがドワーフの大臣の足を治療している。

足首から先が欠損していたんだ。

オレが大臣と酒の販売許可について話している間接客用らしいソファで

お茶とお菓子を上機嫌で頂いていた。

オレの大臣に向けた感謝の言葉をちゃんと聞いていたようだ。


グランドワームの騒ぎも収まって退出しようとしたらミーアが治療したいと

言い出した。

ミーアの治療魔法は好意を感じた相手だとなぜか効果が大きくなる。

どこまで治療の意味が分かってるのか疑問は残るんだけど。

無理をさせない程度の経験は必要だと言うことで大臣に治療させて欲しいと

お願いした。


「有り難い話だが私のこの足はもう何十年も前のものだ。

負傷から時間が経てばたつほど治り難いのはまだ教えられて居ないのかね? 

当時の神官様達も頑張ってはくれたんだがコレは元には戻せないと言われたんだ。

無駄だと思うんだが……」


私達は「見習い神官」ということになっています。

神官になるかどうかはまだ確定ではありません。

でも経験はなんでも無駄ではないと思っています。

この子は大臣様を治したいと望みました。

出来ない事でも体験させたいんです。

よろしくお願いします。


「こんな小さな子なのに欠損の治療が出来るのかね? 

この国の神官様にもそこまでの力の有る者は居ないんだが……」


それでもミーアが真剣な目でやってみたいと言い張るので大臣は許可してくれた。

さすがに時間が経ちすぎていたからかミーアの魔力が尽きかけてしまった。

なのでそっとミーアに肩に手を載せてオレの魔力で補充したんだ。

以前、補充を試したときにはイマイチな補充効率だったけどミーアもオレも

慣れたのか充分な補充効率に上がってたよ。


足はちゃんと復活した。

大臣は魔法の使える方なので魔力循環については説明不要だったよ。


「……凄いね。もし時間があるならココの神官様達に手ほどきをして欲しい。

鉱山で仕事をする者の多い国なので私のように欠損の有る者も多いんだ。

たとえ指一本でも元に戻るなら……

是非ともよろしくお願いしたい」


オリーザ国でも欠損の復活の出来る神官様はまだ少ない。

それでも以前よりは増えて来ている。

才能、向き不向き、修行の進み具合など色々な要素が上手く組み合わさった時

やっと何人か出来る人が現れる程度なんだ。

その辺りを説明して引き受けることになった。

付いて来た神官様も賛成してくれたしね。


「しかしこの幼さで修行を山ほどした神官様並みとはねぇ。

あまり広めないようにしたほうが良いかもしれない。

伝授をお願いしておいてなんなんだが」


あー、もう危険な目に遭っています。

拉致されたんです。相手は戦争で手が欠損してしまった貴族でした。

なんとか事無きを得ましたが危険を認識するのには充分でした。

だから出来る神官様の人数が少しでも増えれば危険は少なく出来ると思うんです。


大臣は納得したようで王城付きの神官様を呼び出してくれた。

まあ、その神官様の動揺はすごかったね。

自分達が絶対出来ないと思っていたことをまだ幼児でしかないミーアがやって

しまったんだから。


う~ん、これって帰宅が遅れるのは確実だよねぇ。

おばあさまに叱られないと良いんだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ