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720・成人。

 ミーアが選び出したオモチャ以外は職人ギルドに貸し出された。

木製のオモチャを作っている職人達もいるので彼等の参考になればと思ったんだ。

 

王太后様がおばあさまの所に御出になったので魔王国のお土産を披露した。

オモチャの他にもいろんな雑貨や布など目に付いた物は買いまくったからね。

魔族と人族では感性が違うようで王太后様は珍しがってくださったよ。

結局、変わった模様の布地を何点かお持ちになった。

気に入って下さったようでなにより。


と、安心してたらそれで終りにはならなかった。

リリア王女やグラディス王子、果てはアイリス王女とリンデン王子まで! 

皆さんおヒマなんですかぁ? 


「ハハハ、王太后様にお土産をみせびらかされちゃったからね。

ちょっと見るだけでもと思ったんだよ。

この館なら余計な気遣いもいらないし気晴らしには絶好だからね」


最近グラディス王子は王太后様から色々指導を受けてるらしい。

まあ、たまには気晴らしもしたくなるか……


「今は国庫にもお金が足りないんですもの。

買えない訳じゃあ無いけれど輸入の品物を欲しがるのは苦労してる皆に

申し訳ない気分なのよ。

だから見るだけでもって思ったの」


お好きな品をお持ち下さい。

ミーアやおばあさまにと思って買った物ですがお気に召した物があれば

献上いたします。

おばあさまから「買いすぎよ!」って叱られちゃいましたしね。


「プププ、それは見てみたかったなぁ。

君が叱られてる所なんて想像もしなかったからね。

ミーアやピオニア殿のお土産なのになんで剣とかナイフまであるのかな?」


あぁ、ソレラはちょっと形が変わってたのでオレ用にと思ったんですよ。

前世に似た形の剣があったので懐かしくなったんです。

もっとも前世むこうは日常で剣を使わないんですが。


「日常で使わない? 貴族の男には剣は絶対必要だと思うんだが……」


私の居た国は戦争は七十年以上してませんし魔物も居ない世界なんです。

もっとも世界全体だといつでも何処かで戦争は起こってます。

そういう所では武器は必須ですね。

あの国は平和すぎるくらい平和で「平和ボケ」なんて言葉もあるんですよ。

「治に居て乱を忘れず」ってことわざを教師に覚えさせられました。

「乱」まで行かなくても非常事態に備えておくのは重要ってことですね。


剣と言ったけど何処から見ても「日本刀」に見えたんだ。

ソリの具合がすこし違って見えたけどね。

ナイフの方はアラブ人の男性が持ってる「ジャンビーヤ」に似ている。

成人すると持って居るのが当然だったと聞いたんだ。

まあ場所によっては十四歳くらいで許可されるらしいけどね。

それくらいから「成人」と見做されてたのかな? 

ちょっと早過ぎる気もするけど。


「大人に成ると与えられるのか。

いいなぁ。一応十五歳が成人だけどそれからも士官学校とかいろんな勉強とか

修行なんかがあるからね。

なかなか一人前になった気分じゃあ無いって護衛の騎士達が言ってたんだ。

体が丈夫になったから自由に動けるけど全部皆と同じって訳じゃあ無いんだよ。

大人になるまでには皆と同じになりたいね」


一見何でも無いように見えるけど本人は色々感じることがあるんだね。

「ジャンビーヤ」はリンデン王子に差し上げることにした。

まだ成人じゃあないけどね。

「成人」を目指して頑張って下さい。


「日本刀」はグラディス王子が気にいったようなので差し上げた。

実を言えば買ってきたのは一本じゃあないんだよ。

ダテさんやアルフォンスさんにも見せたかったからね。

お土産は買うのもあげるのも楽しいね。

ちょっと「変」としか言えない品物でもね(笑)。

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