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708・「リモの子供達」。

 大小様々となった柑橘類を香水屋のパルフェムさんの所に持って行った。

大きさだけでなく香りもソレゾレ微妙に違う気がしたからね。

それに「リモ」を持ってきてくれたのは彼だ。

専売とまで行かなくても優先権くらいは上げても良いと思ったんだ。


「いくら木魔法を使われたと分かっててもコレは……スゴイですね。

まさかこの短期間にこんなことになるなんて……

それで私にコレを検分してほしいってことですか?」


そうです。

香りは言葉で説明しにくいです。私では特に! 

多少の違いがあるのは分かりますが……

なので皆の好む香りをご存じなパルフェムさんにお願いしたいんです。


「分かりました。

でも大きさで香りが強くなったり弱くなったりはしてないみたいですね。

皆の好む香り……「リモ」の香りは評判が良かったですがその辺りは

試してみないと分かりませんね。

私のお客様方は私より鼻の良い方も多いんですよ。

その方々にもお願いしてみましょう」


ありがとうございます。

余計な仕事を増やしたようですみませんね。

館の者たちは美味しければ香りはどうでもいいなんて言うんですよ。

勿体ないって思っちゃったんです。


「ハハハ。私も食べ物の香りなんて気にもしてませんでしたね。

あくまでも香水にできる香りのことしか考えてませんでしたから。

食べても平気な香りと言われて驚いたくらいなんですよ」


柑橘だけでなく果物の香りをあめに付けたりできます。

花の香りや果物の香りが特徴のお酒もあるんです。

香りは香水だけじゃあないんですよ。


「そうか……香水以外の使い道がもっとあるってことですね。

わかりました。頑張ってみましょう。

それにしてもこの『リモの子供たち』は美味しいですね。

この国で増産って出来そうですか?」


まだ木魔法を駆使してお試しの段階なんですよ。

冬越しができるかどうかも分かりませんし。

まあ、この国でダメなら「リモ」の原産国に栽培を依頼しても良いですし。

あの国とは関係が良いと聞いてますから多分ソレでも大丈夫だと思いますよ。


「あー……それは向こうの国の人には朗報ですね。

『リモ』を譲ってくれたのは貧しい地域の人達でした。

神官様どころか医者にも治療師にもかかれないのでわずかな効能の『リモ』の

ようなモノも大事にしてたんです。

輸出の出来るような物の栽培となれば喜んでくれると思いますよ」


あぁ、パルフェムさんは少なからず同情とかしたんだろうな。

そうして快く「リモ」を譲ってくれたことに感謝もしていると。

なるほど、嬉しそうな訳だ。



 「リモの子供達」はかなりの種類がオリーザで栽培可能でした。

でも出来ない物もあったんです。

なのでソレは「リモ」の原産国で育ててもらうこととなりました。

貧しかった地域は少しばかり……いえ、かなり豊かになったそうです。

神官様へのお布施の心配が無くなるくらいには……ね。

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