68・教科書。
只今、山を征服中。
山は山でも「積ん読」状態だった学園の教科書だけどね。
コレを老人クラブなスタークさん達に渡して辞書を編纂してもらう予定だ。
まあ、ちょっと教科書の中身を確認してみようと思っただけなんだけどね。
下は小学生からでも最上級は高校くらいまで行くだろうと思ったんだけど……
中学レベルがチラホラ程度でほとんど小学生レベルだった。
未来は国の中枢に座るかも知れない方々の教科書としては甘すぎると思う。
ということで老人クラブの面々にインタビューしてみることにした。
「あー……簡単すぎますか……
やっぱり異世界はもっと色々進んでるみたいですねぇ。
王都の勇者もココのコトをそういう風に感じてたみたいでしたよ。
バカにはしてないみたいでしたけど」
「嫡子の方々は実務よりは勢力争いとか社交が主な仕事ですからね。
真理を追究するとか実際に必要な知識とかにはあまり関心が無いんです」
じゃあ誰が実務を担ってるんでしょう?
「そりゃあ勿論庶子組とか貴族じゃあ無い平民ですね。
どっちにしても卒業してから実務はたたき込まれますよ。
平民の学校は特にないです。
神殿の神官たちが街中の説教の時に教えてますけどね。
商人なら計算は必須ですし職人も設計施工に計算とか必要ですから
現場で学ぶんです。
並みの貴族のほうが勉学はしてないと思いますよ」
学ぶは「まねぶ」。つまり先輩・先達の真似をするのがスタートだ。
文字も数字も昔の人が造った遺産みたいなモノだしね。
ソレが給料や儲けに直結してる平民は貴族より真剣に学んでることになる。
でも軍人だったら名誉も掛かってるから普通の貴族より学ぶことには
熱心かも知れない。
「あー……軍功が上げられるのは今度のように戦争があった時です。
普段は普通の貴族と同じで昇進なんかも縁故とかコネとか重要みたいですね。
まあ、中には普段から脳筋な方もいるようですけど」
なるほど……それほど期待はしてないされてないってことか。
卒業したら即戦力でコキ使われるのかと思ったんだけどねぇ……特に庶子組は。
「最初から使えるヤツなんてほとんど居ませんよ。
まあ、この教科書くらいのコトは分かってて欲しいところなんですけどね」
やっぱりコノ教科書の内容だと甘いと思います?
「ソレでも難しいと思ってる子が大半だと思いますよ。
仕事に就いてからでもまだ理解できないって子は多いです。
その辺りの教育もしないといけないので役人をしてた頃は大変でした」
う~ん、先生方も大変なんだろうなぁ。
コレって辞書の編纂だけじゃあ済まないかも知れない。
教科書の内容すら理解できないんじゃあ授業を受けるのは苦痛でしかない。
ただ座ってるだけの「お客さん」な学生は前世でも確かに居たけどそれが
生徒のほとんどとなると問題が有りすぎだろう。
まだ学園の生徒ですらないのに先輩達を心配してしまう「若様」なのでした。




