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705・海苔塩味。

 セタル油は意外と素直に皆に受け入れられた。

今まで使って居た油より安めの値段設定にしたし特にクセのある油じゃあ

なかったのがよかったようだ。


油は種類も多いし食用になる物ばかりじゃあない。

食べると絶対に下痢になるので食用禁止の魚が居たりするんだ。

油がちょっと特殊らしいんだよね。

ココではまだそういう魚や獣にお目に掛かったことは無いけど。


「なんとか油の値段が落ち着いてきましたよ。

一時はどうなることかと気を揉みましたが良かったです。

あのジャガイモって油と相性が良いみたいで皆喜んでますよ。

毒草だってのも分かってるのに気にしないでくれてます。

今年は去年より食糧を輸入を少なく出来そうですよ」


南部は壊滅状態と言っていいくらいだった。

だからといって他国からの輸入をずっと続けられるかと言えば無理だろう。

国庫はほとんどカラッポになったのだ。

国債とか色々対策をしてもそれは借金だし問題を先送りしただけでしかない。

瘴気に汚染された土地が元に戻るまで五年十年かかると言われたからね。

生産を多少でも元に戻せるならなんでもやってみたいと思ったんだよ。


ジャガイモには連作障害がある。

でもそれは麦でも同じなんだ。

農民はそういうことは全部承知で耕作をしている。

対策は作物ごとにそれぞれだから、オレみたいな素人は口出しは控えたい所だね。


新ジャガの収穫が始まったときには嬉しかったよ。

ジャガイモがゴロゴロ入ったカレーをおおっぴらに食べられるのはなんとも

有り難く嬉しいことだった。

米はまだ量産とまでは行っていない。

でもオレの分は木魔法を駆使して確保しちゃってるんだよ。

パンでカレーも美味しいけどね。

やっぱりカレーにはご飯が一番! だよね。


「そうですかぁ?

オレは『らぁめん』で『かれぇ』が一番美味しいと思いますけどね」


カール君の好みは「カレーうどん」みたいだね。

ココの「らぁめん」はほとんど「うどん」だからややこしい。

まあ、好みは人それぞれだ。

好みにケチを付けるなんてのは無粋な限りだと思う。


「かれぇ」のおかげで以前より香辛料の消費が増えたらしい。

「かれぇ」用の物だけでなくその他の香辛料にも皆の関心が向いたそうだ。


「おかげで売り上げが増えました。

『かれぇ』用もですが香辛料自体が見直されてるんですよ。

貴族様でなくても買える物もありますからね。

ジャガイモは素材が素直とでも言いますか……香辛料やハーブを代えると違った

味わいになってくれます。

いやあ、ジャガイモ様々さまさまですよ」


香辛料屋のご主人はホクホク顔だった。


同じ物を食べ続けたらやっぱり飽きが来るもんなぁ。

そういえばポテトチップスの味付けなんてもうカオスとしか言えないくらい種類が

あったっけ。

レシピを配ったけどココの香辛料は前世むこうとはまた違う感じだからココの

皆の好みの物が出来ていきそうだね。


オレはポテチは「海苔塩味」が好きだった。

でもココだと「海苔」の香りに近い物がまだ見当たらないんだよ。

海藻自体が見当たらないからココの人達は海藻を食べないのかも知れない。


ジャガイモはオレも食べたいと思ってたから色々頑張ったけど誰も食べないのに

海藻の事を調べて貰うのはちょっと気が引けるなぁ。

でも、カール君のノンキな顔を見ていたら何かさせときたいって思っちゃったよ。

ヒヒヒ、職権乱用行っちゃおう! 

個人的な事だってバレなきゃあ無問題! ってことでね。

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