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703・レシピ本。

 風邪ひいてました。

……コロナじゃあ無くて良かったです。

 新しい村は順調に滑り出したようだ。

実験農場をそのまま大きくして「村」扱いしただけなんだけど。

目標は自給自足と各作物の栽培データの集積だ。

麦はまだまだこれからだけどジャガイモやセタルはかなり期待が持てる。

豆類もカナバルの他にも色々試してみることにした。

村民の皆さん、よろしくお願いしま~す。


普通の開拓村だと何年かの税金免除とかあるそうだけどこの村は全員がオレの

奴隷なので個人的な優遇は奴隷期間の短縮だけだ。

税金免除は持ち主のオレが受けることになる。

でも領主の土地で勝手に色々やってるだけなのでソレラは返上することにした。

もともと税金は有って無きがごとし! って感じだったしね。


結果として一年後には税金を払える位の収入になった。

養鶏とジャガイモの成績が良かったのが主因だったよ。

食糧を他の領地から持ってこなくても良くなったんだ。

北部の他家の領地も生産が上向いたらしい。


場所によっては作物が余る所まであったそうだ。

なのでそういう作物はできるだけ買い付けて貰った。

ジャガイモは酒の原料に、セタルは鶏の餌に。

そうして多少なりとも備蓄をすることにしたんだ。

いつも作物の出来の良い年ばかりじゃあないからね。


「セタルって結構収穫出来るのにあんまり好まれてないんですね。

ポップセタルは美味しいと思うんですけど。

なんだか勿体ないです。

何か皆がもっと食べてくれる調理法とかないですかね?」


カール君の言うことももっともだ。

シリアルのようにオビスの乳を掛けて食べるのが一番食べやすい気がした。

ポップセタルをお湯ですこし煮れば簡単にお粥にもなる。

まあ、麦と合わせてパンに焼いたのはちょっと頂けなかったけどね。


ジャガイモとの相性は意外と良かった。

なのでセタルの粉をすり下ろしたジャガイモと合わせてパンケーキやクレープを

作ってみた。

ジャガイモは単体でもパンケーキに焼けるから不味いとは誰も言わなかったよ。


思い出せる限りのジャガイモ料理を書き出した。

ソレを王都や旧都、南の商都などそれこそ国中にばらまくように配布した。

南部で土地の浄化のために植えまくったから当然収穫量が増えたんだ。

だから皆が不安も不満も無くジャガイモを食べてくれるようにと思ったんだよ。


「よろしかったんですか? レシピをタダで配っちゃったりして……

普通ならみんなかなりの値段で売れたハズなんですけど」


新しいモノは注目はされるけど警戒もされる。

ましてや口に入るモノとなれば警戒のほうが強いだろう。

新種の調理器具にはほとんどの物がレシピ本が付いてくる。

馴染みのある料理が簡単に作れます! という歌い文句と共に。


「調理器具……ですか。

便利さを強調するため……なんですね。

でもジャガイモの調理法をみんなに教えてもアナタの利益にはなりませんが?」


皆がこれからも食べたいと思ってくれれば植え付けも安定して増えるでしょう。

お酒の原料にしてますから安定供給は必須です。

勇者が持ち込んだ頃は毒草として警戒されたようですからね。

まずは警戒を解かないとイケナイと思ったんです。


実は前世の知識をばらまくのはちょっと気が引けた。

それらは向こうの世界の人達の努力の結果だからね。

でもジャガイモは毒草だけどジャガイモに罪があるわけじゃあないもんな。

「美味しいは正義」ってカール君に言ったら呆れた顔をされたよ。


一番バクバクとジャガイモ料理を食べてたくせに! って思っちゃったよ。

オレは悪くないゾー!! 

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