701・新しい村。
孤児院の子供達にも協力してもらって耕耘機の魔石に魔力を込めて貰う。
オレならほとんど一人で込められるけどそれではダメだと思ったんだ。
だってソレをやったら領地中の耕耘機に魔力を込めて廻らないとイケナイ。
何事も自分達のことは自分達で出来ないとね。
子供達の魔力は多くない。
でもソレナリの人数が居るから魔石を満杯にするのは難しくなかった。
魔法を発動しなくても魔力を魔石に込めているうちにどうも魔力操作の訓練に
なってしまったようで生活魔法を発動させられる子が増えた。
ちょっと焦ったね。
だって子供に魔法を使わせるのは成長に影響が出てしまうとされている。
なので世話をしている神官様達に注意と指導をお願いした。
「大丈夫ですよ。
使えるように成ると浮かれる子が出るのも分かってますからね。
ちゃんと使い方を仕込みます。
本人と周りのためでもありますから」
どうも魔導師に成れそうな子も居るらしい。
基本を仕込んだら魔導師に弟子入りさせる方向で話が進んでいるそうだ。
本人もやる気になっているという。
孤児院の生活よりは楽しそうだと思ったんだろうか?
まあ、才能があるなら伸ばしてあげたいとは思うよね。
スキルの付いた子供達もそうだけど。
保持できる魔力量が多ければ生活魔法を使うのにも楽に発動出来るそうだ。
子供達だけでなく村々の大人の魔力保持量も増えたらしい。
まあ、増えれば耕耘機に魔力を込めるのも楽になる。
ハハハ、これもループって言うのかな?
最初に来て貰った奴隷達を中心にして新しい村を設置することにした。
孤児院の近くの「実験農場」が手狭な雰囲気になってきたんだ。
領都からは少し離れることになったけど広さだけはある領地なので場所の確保は
簡単だったよ。
土地はある。人手も確保した。
地味は痩せているけど鶏糞の肥料も準備できた。
あとはなんだろう……ああ、水だ!
水利を考えないと生活に支障が出るだろうし雨が降らない年なんかが来たら
村どころか領地全体に影響が出る。
井戸と溜め池も必要だろうね。
でもまあ、「村」と言いつつ実験農場の拡大版のようなものだね。
麦・じゃがいも・セタル・カナバル・蕪(砂糖大根もどき)・オビス・鶏、
主要な作物や家畜はそれくらいかなぁ。
慣れてきたらもっと種類を増やしたいところだね。
北海道の山のような産品の数々を思い出すと見劣りすること甚だしい。
自給自足が目標! と言いながら夢は「でっかいどう! 北海道!」な
ヘンリー君なのでした。




