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675・幸せの輝き。

 南の商都の侯爵家にお邪魔することになった。

産み月が近くなってきたので診察を兼ねてご機嫌伺いだね。

お供にミーア達兄妹が付いて来た。

まあ、いつでも歓待してくださるのでミーア達もゴキゲンだね。


今回は庭の「ご神木」で飛ぶことにした。

いまだにオレは転移魔法は出来ない。

「禁呪」を魔王陛下に教えたから今度お目に掛かったら

教えていただけないか聞いてみようかな。


商都の「ご神木」は侯爵家の別邸に植えられている。

本宅からは遠くないので散歩気分で移動した。

館の召使い達にも覚えられてるので普通に客として歓迎されたよ。


奥様方の診察は無事に終わった。

順調、順調。

あと一ヶ月くらいで満期産なのでもういつ産まれてもおかしくない。

産婆も神官様も手配済みなのでなんの心配も無いと思う。


「それでも侯爵様はすっかり心配性になってしまわれて……

神官様たちがおられるから大丈夫だと何度も申し上げたんだけど。

ごめんなさいね。

アナタも忙しくしてるとお義母様プロテアから聞いてたんだけど。

少しでも安心していただきたくて呼んでしまったのよ」


周りが緊張しているとヤッパリ影響されちゃうもんな。

妊婦は緊張が過ぎるとお産が重くなりかねない。

侯爵様を安心させるのも大事なコトだと思うね。


ミーア達はいつものように庭で遊ばせていただいた。

そうしてミーアは奥様方の大きなお腹に触らせてもらったりしてた。

宰相家の双子達と遊んであげたりしてるのでニコニコと上機嫌だったよ。



 おいとましようとしたら玄関までお見送りまでしてくださった。

お二人とも幸せの中で輝いて居ると思ったよ。

まさかあんなことが起こるなんて……


扉が閉められてちょっとだけホッとしたんだ。

その瞬間に轟音と共に玄関扉が吹き飛んだ! 


なっ! なんだ! 何が起きた! 


とっさに張った結界のオカゲでオレ達も護衛達も無事だった。

けれど玄関の中は文字通り惨状だった。

召使い達もそうして奥様達も! 


硬直して動けないミーアを兄達に任せて館の皆にエリアヒールを掛ける。

最大威力で。

それでも欠損まではエリアヒールじゃあ無理だ。

でもソレは後でも出来る!

よし! 全員死んでないな。


奥さま方は一緒にいた。

第二夫人が第一夫人を庇っていた。

彼女達は護身の指輪を付けていたハズだ!

なのにこんなことになってるなんて!


二人を狙って仕掛けられた爆発としか思えなかった。


第二夫人は右腕と右肺部分が欠損していたんだ。

欠損を治そうと思ったらそれどころではないことに気が付いた。


ショックのせいなのか?!  

出産が始まってしまったんだ! 

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― 新着の感想 ―
[一言] 世界最高峰の治癒魔法使い二人がいたのは不幸中の幸いなのか それともその二人の能力に気付いての犯行なのか 無事出産がすみますように
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