666・麻婆豆腐。
誤字報告と評価ポイント、ブックマークを有り難うございます。
体調不良が続いているので投稿時間が不安定で申し訳ないです。
それでも周りは年末進行なので気持ちだけはせわしない……
回復魔法がほしいです。
「にがり」それは豆乳を固めてお豆腐にするために使われる。
海水から食塩を作るときにできる余りだね。
主成分は「塩化マグネシウム」だ。
他にもナトリウムやカリウム、カルシウムなんかが含まれて居る。
他にも何か入ってた気がするけどまあ、微量だったと思う。
豆乳だけじゃなくて牛乳も固まっちゃうんだよ。
なんというかオレの口には合わなかったけどね。
手作り豆腐に挑戦してた長姉が「牛乳に入れたらどうなるんだろう?」って
思っちゃったせいでしっかり味見をさせられたんだ。
冷たい牛乳に入れただけじゃあ変化がなかったけど温めたら固まったんだ。
……うん、牛乳は普通に飲みたいって思ったよ。
大豆代わりの豆「カナバル」を豆乳にしてみた。
見た目は大豆の豆乳と変わらなかったよ。
さて「にがり」をどうするか。
旧都は内陸だから海水は身近じゃあない。
なので錬金術師・ロザさんに聞いてみた。
なんだか分かりますか?
「分かりますよ。
旧都でも手に入ります。
主な用途は下剤ですけど」
は?! げ、下剤?
「そうです。
でも他にも下剤は沢山有りますからね。
まあ、症状に合わせて治療師(内科・薬剤師)が処方してます。
患者の症状や体質に合わせて処方するんだそうです」
漢方薬の処方みたいだなぁ。
でも薬は全て毒でもあるからね。
用法用量を守るのは大事だよね。
結局その「下剤」でカナバルの豆乳は固まってくれた。
でも毒は多少減ったけどやっぱり残ったままだった。
浄化の魔法で消すコトは出来るけど魔法無しで解毒出来る様にしたいよね。
魔法で解毒したカナバル豆腐は料理長・ソラナムさんが気に入ってくれた。
なので知ってる限りの料理法を教えたよ。
好物の麻婆豆腐は香辛料屋のご隠居さんに相談してみよう。
「ちゃんと豆の味が残ってますね。
なのに淡泊でどんなソースでも合うでしょう。
組み合わせで色々工夫出来そうです。
こういう素材は楽しいですねぇ」
少し大豆とは香りが違うカナバル。
でもちゃんとお豆腐になってくれた。
後は毒を簡単に除去する方法を探そう!
そう思っていたら北部領地の試験場から連絡が来た。
カナバルの毒の消える条件が分かったと!
い、一体どうなってるの?!
「熟した実は有毒ですが芽吹いた茎や葉は無毒でした。
どこかの時点で消えてるってことだと思ったんです。
だから鑑定の出来る者に張り付いてもらいました。
芽が出るほんの少し前で豆から毒が全部消えたんです。
浄化の魔法を使わなくても水に漬けて発芽寸前に加工に廻せば
オッケーだったんです」
う~ん、恐れ入りました。
オレが気にしてるってこの研究員は知ってたから頑張ってくれたんだよね。
ともかく素直にお礼を言って置こう。
まあ、報奨金もちょっとはずんでおこうかな。
ともかくこれで豆の毒を気にせずお豆腐を作れる。
まだ麻婆豆腐は無理みたいだけどね。