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630・醸造施設。

 全部種籾にすることにしたけど念のため鑑定をしてみた。

普通の米:うるち米の性質を持つ物が混じっているかもしれないと思ったんだ。

ほんの少しだけうるち米が混じっていたのはラッキーだったね。

てのひら一杯にも足りないほどだったけど。


でももっと驚いたのは餅米もちごめまであったことだ。

木箱一杯の種籾の中にほんの二十粒ほどでしかなかったんだけど。

うるち米と餅米を一粒ずつ拾い集めているオレを見てカール君は呆れていた。

まあ、それもしょうが無いよね。

でも品種改良には長い時間がかかるんだ。

ココには木魔法はあるけど「遺伝子組み換え」なんて技術は無いからね。


ココの「米」は多分基本性質が「酒米」なんだと思う。

うるち米や餅米は時々出てくる変異株だろう。


伯父の家の田圃には蓮華草れんげそうが植えられていた。

化学肥料が普及したせいか今は蓮華草のある田圃は少ない気がする。

伯父は「きれいだから植えてるだけだよ。肥料代わりにって意識は無いなぁ」と

言ってたっけ……


田圃中ピンクの花が咲き乱れている中に時々「白い蓮華草」が生えているんだ。

従姉妹たちとその白い花を探す遊びをしたんだよ。

一番年上の従姉妹が一番早く見つけるのが常だった。

伯父は子供達のために蓮華草を植えていたのかも知れないね。


そんな風にうるち米や餅米も酒米の中に混じっているのかもしれない。

増やして品種固定を試してみることにした。

酒米は近郊領地の試験場に栽培を依頼した。

少しだけうるち米や餅米と一緒に館の庭で育ててみることにしたんだ。

まあ失敗の可能性もあるから危険分散ってところかな。


大々的に栽培が出来るまでにはまだまだかかるのは確実だよなぁ。

まあオレが大人に成るまでに出来たら良いことにしとこう。

当面は日本酒よりはジャガイモの酒の方が量産には近いと思う。

そろそろ醸造施設とか作る段階かもしれない。


 

 カール君が呆れた顔でこっちを見てるのでなんだかむかつく気がした。

なので醸造施設の建設について情報を集めてもらうことにした。

仕事をさせとけばオレに呆れてるヒマなんて無くなるだろうからね。

場所・必要な建設資材・人材・総費用……まあ資金が足りなくなったらギルドから

借りるだけなんだけどさ。


ほらほらカール君! 驚いてないでお仕事だよーっ! 

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