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619・回答者。

 友達、居ないのかね? この王子様。

まあ、この国に来て間もないし居なくても無理ないか。

だからってオレなんかに絡まれても困るんだよなぁ。

つきあうならもっと年齢の近い方とお付き合い下さい。


「お前は私が浮いていると言ったがお前だってあの学園じゃあ浮いていたぞ。

もしかしたらそのせいかもしれない。

お前が気になったのは」


自覚はしてますよ。

私は存在自体がイレギュラーですからね。

親からは「目立たなくておとなしくて可愛らしい子供」をやってるようにと

命じられてます。

まあ、なかなか守れないので叱られてばかりですが。


「あの図書館で一体何をしてたんだ? 

お前の歳の子が興味を持つような場所とは思えないんだが」


この国は勇者が建国した国です。

それ以来何度も勇者が召喚されています。

彼等が召喚されたのには色々事情があったようですが目的を果たした後の

勇者達がどうなったのかはハッキリしないんですよ。

元の世界に帰ったとかそのままこの国に住んだとか色々言われてますが……


まあ、前回この国の王都で召喚された勇者は神様達のご助力で帰りましたがね。


「……我々が召喚した勇者達をこの国は奪っていった。

彼等が何処に行ったのか誰もコチラには教えてくれないんだ。

もっともアロートでは役立たずの勇者と呼ばれて誰も気にしていないんだが」


アナタは気にしてるんですね。

何故です? オリーザ国の勇者どころか騎士・アルフォンスにすら敵わない

それこそ役立たずと認定されてるんでしょう? 


「それでも彼等は子供だった。

軍の連中より強くはあったが何処から見ても子供でしかなかったんだ。

ほとんど同じ歳でも私にはもっと幼い子供にしか見えなかったよ。

我々の起こした戦争の責任をあんな子供に負わせたと思うとね。

この国が彼等をどうしたのか気になるんだよ」


王太后様や王都の陛下達にはお尋ねにならなかったんですか? 

別に秘密にしてるようにも思えませんが。


「従者達に聞くのを止められたんだ。

この国の方針に触るかも知れないと。

そうだな……王太后様、お尋ねしてもよろしいでしょうか? 

回答不能でもかまわないんですが」


「彼等のことはヘンリーに聞く方が良いと思うわ。

私は手出しも口出しも出来ない立場なんですもの。

あぁ、別に陛下に質問しても構わなかったと思うわよ。

すぐに無罪放免になっちゃったことだしね」


オレのコトは王太后様はバラしてないみたいだね。

オレに説明しろってことはバラしても構わないってことなんだろう。

まあ、彼はリリア王女の婚約者だ。

これから王太后様の身内になる方なんだ。

多少の秘密の開示は仕方ないか。


なんだかまた面倒が増えそうな気がするのは気のせいかなぁ。

気のせいだと良いなぁ……

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