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610・転移陣のスクロール。

 王都から客が来た。

宰相閣下の手紙……というか指示書付きだった。

まあ、この人に協力しろ! ってだけだったけどね。


「初めまして。シラーと申します。

魔導師のゴワードの友人のひとりですよ。

もっとも私は魔道具の研究が主な仕事です。

アイツのように魔法での戦闘は門外漢ですよ」


一応は魔導師ということにはなってるのだそうだ。

それで今日はどんなご用なんでしょう? 


「宰相様が停戦交渉の時に魔王国から転移魔方陣のスクロールで絶海の孤島に

飛ばされたのはご存じですよね。

勇者さまが救出して下さったので事無きを得ましたが。

でも、結果的には失敗作と言うことになってしまいました。

アレをなんとか完成させようと思いまして」


転移魔法のスクロールか……オレも一枚持って居る。

旧都王宮のダンジョンに居たゴーレム・オリザさんからもらったヤツだ。

アレは近距離用でしかも転移先が指定されていた。

絶海の孤島に飛べるほどの威力は勿論無い。


「陛下から万が一の時のためにと頼まれて急ごしらえだったんです。

それでも王都に戻ってこられるようにと作ったんですが……

どうもあの戦争の元凶となった元秘書が何かしたせいで暴走したようで。

ヘンリー様が転移のスクロールをお持ちだと閣下から聞きました。

なんとか拝見させて頂けませんでしょうか」


なるほど。

協力しろ! ってそういうことか。

まあ、今のところあの王宮のダンジョンから出てくるのにしか使っていない。

あのダンジョンに居るゴーレムな魔物を何かに使えないかと思案中なんだよ。

ともかくスクロールをシラーさんに貸し出すことにした。

無くても別に困るわけでも無いから。


王太后様が王宮の礼拝所を移動させてくれたのでエレベーターでダンジョンに

出入りが出来る様になったんだよ。

もっとも起動させるのにはやっぱり魔力が要るんだけどね。

ダンジョンの入り口は何カ所か判明したけど塞いだままにしてあるんだ。

今のところ必要ないからね。


「初代国王様の頃にはもっと色々なスクロールが有ったみたいなんですが。

秘密にする者も多かったようで記録しか残っていない物も多いんです。

神殿の転移陣を便利に使ったりしてるのですたれたのかもしれません。

私はそういう廃れた物を研究してるんです。

幸い陛下がご理解下さってるので実用までいってなくても予算が付いてます。

有り難い限りですよ」


神殿の転移陣は固定タイプだ。

携帯できるスクロールなら基点も移動先も自由だろう。

オレは魔王陛下の転移魔法を見取りしようと何度か試したけどダメだった。

また機会があったら試そうとは思ってるけどね。


ご神木でも移動出来るけどもっと自由に転移魔法が使えるなら……

ココの世界は高速道路も新幹線も無いからなぁ。

人の移動ですらタップリ時間がかかるんだよ。

神殿の転移陣を使えるのは上級貴族や王族がほとんどだったりする。



 気軽に転移が出来る様にならないかと思ってるヘンリー君。

でもソレって神殿から睨まれるかもしれないとは思わないのかなぁ。

色々問題が有りそうだけどねぇ。

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