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603・家族の肖像画。

 似顔絵を描いた。

前世の家族達を一人ずつ。

父・母・姉達・姉の夫達・そうして甥達や姪達。

全員で十四名……そうして最後に前世のオレの顔も描いた。


写真にオレは当然写っていない。

でも絵なら描き加えることが出来る。

そう……「絵」なら部屋に飾っておいても誰も不審には思わないだろう。


侯爵夫人・プロテア様の肖像画を製作した画家さんに頼んで家族の肖像画にした。

服装もココの国の貴族風にしてもらったよ。

ココは貴族家だから平民の服装の物を飾っておくのはやっぱり違和感があると

思ったんだよ。

微妙にコスプレめいた絵になった気がするけどモデル達に見せる訳じゃあない。

まあ、バレるなんてことも無いからいいよね、いいよね(笑。)


おばあさまにもご覧頂いたよ。

暫く眺めておられたけど妙なことを言われた。


「この青年がアナタなのね。

少し亡くなった夫に似た感じだわ。

顔が似てるとかじゃあなくて雰囲気というか……

アナタが私達の所に来たのは事故みたいなものと思ってたんだけど何か引き合う

モノが有ったのかもしれないわね。


あの子はしゅうとに似てると思ってたの。

でも最近夫に似た所が見えるような気がしてるのよ。

あの子が父親になったせいかしらね」


オレは宰相閣下のクローンのようなモノだ。

遺伝子は同じだから父親であるおばあさまの夫と似てても不思議じゃあない。

でも前世のオレが似てるなんてのはもう不思議すぎるよな。

まあ、おばあさまの贔屓目ひいきめかもしれない。

そう思って下さるのは内心嬉しかったよ。



 ミーアは不思議そうな顔で「絵」見ていた。

でも甥達も描いてあったのでこの家に関係無い人達とは思わなかったようだ。

実はオーちゃんも父の側に描いてもらったんだ。

それにも気が付いて指さしてたよ。


前世の家族が描かれている絵はそうしてオレの部屋に飾られた。

時折眺めては皆のことを思い出している。

もう会うことも共に生きることも叶わないけれど彼等はオレの家族だ。

今でもこれからもそう思ってしまうだろう。

「無理に忘れようとしなくていい」と言って下さったおばあさまに感謝したよ。



 最近、ミーアが似顔絵をせがむようになった。

デカパイ母さん・兄のトムとタム・おばあさまやメイドのお姉さん達。

……まさかこの全員を一枚の絵にして欲しいとか言い出さないよね? 

大分溜まって来た似顔絵をニコニコと上機嫌で眺めるミーア。

暫くは知ってる人全員を描かされそうでちょっぴり不安なヘンリー君なのでした。

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