表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/770

3・旧都へ。

 前世の世界と比較しても仕方ないんだが現世のココは中世くらいな感じだね。

「旧都の館に行ってろ!」との宰相閣下のお達しでお引っ越しだ。

まだ王都がどんなところなのかも知らないんだけどさ。


主戦場は遙か彼方の南方に展開中。

一進一退で押され気味だそうだ。

ところが王都の目と鼻の先にポンと敵の砦が出現したんだそうだ。

そりゃまあビックリ仰天ってやつだね。


あせって勇者を召喚したらハズレだったそうだけどそのハズレ勇者は意外な

実力者だったとかで簡単に砦を落としちゃったと言う。

召喚勇者かぁ……スゴイねぇ……

ライトノベルみたいなことやってるヤツっているんだね。

よかったオレ。そんなのやらされる役なんて無理だもんね。


元の王都……旧都までは馬車の旅かと思ったら転移魔法陣だと言う。


「私はコレでも宰相だからな。

ソノ程度の伝手くらいある。

大人数が運べるわけじゃあないからあまり戦争の役には立たないのが欠点だ。

まあ、勇者が敵の砦を落としてくれたから旧都から戻ってくる連中がこれから

増えるだろう。

混む前に向こうに行っておけ!」


「親」で保護者な宰相閣下の思し召しには逆らいませんよ。

生活保障の元だもんね。

世話係のお姉さんも付いてきた。

この人も気味悪がってる割に職務には忠実みたいだね。

まあ、王都には避難してる貴族の方々も多いそうだから王都より安全かもね。


転移陣は固定タイプで転移先の許可が出ると移動できるそうだ。

旧都の王宮の中が転移先だった。

そこから馬車で宰相家の館に移動。

チラッと旧都の街並みが見えたけど石造りの二階・三階建ての家々が並んでる。

散策ができるのは何時になるんだろうね。


館は四階建て、屋根裏部屋付き。結構なお屋敷だ。

旧都は元王都で引退した貴族達の終の住処になってるそうだ。

館はつい最近まで先代の当主が住んでいたんだとか。

今は未亡人が居られるという。


う~ん……親が居たよ! 

しかも母親だよ! 

ど、どうしよう……

こんなイレギュラーなオレなんて受け入れてもらえるのかね? 


でも邪険な口をきいてた宰相閣下は意外と有能だった。

ちゃんと説明の手紙が手配されていて館の執事達は平然としていた。

むしろ喜んでたみたいだね。なしてぇ? 


「宰相様はもうアノ歳なのに浮いた噂ひとつ無い方なんです。

アチコチから何度か縁談もあったんですがいざ面談となると相手の方には

なかなかお気に召していただけないようで……

良い方なんですけどねぇ。


この家の跡継ぎがいないと私たちの仕事も無くなってしまいますしね。

歓迎させていただきますよ。

庶子でも当主が認知されていれば相続権が認められます。

もっとも嫡子のほうが優先順位が高いですけどね。

次期当主候補ってところです。

これから頑張っていただきたいですね」


なるほど……オレって庶子扱いなんだな。

ココに引き取られてるってコトは認知されてるってのと同じなんだろう。


さてこれから母君とご対面だねぇ……

宰相閣下みたいな邪険な口をきかれませんように……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 母親って言ってるけど、主人公は宰相の庶子の扱いなんだから、祖母なんじゃない?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ