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53・お人形遊び。

 ヌイグルミすら見当たらなかった世界にこういうお人形なんて無かったんだ。

人形はヒトガタでハッキリ言えば呪いとかするのに使うモノだそうだ。

まあ、呪いだけじゃあなくて身の穢れを移して焼いたり水に流したりして

不吉を遠ざけたりもするらしい。

三月三日のひな祭りのおひな様も元々はそういうモノだったよね。


お人形遊びは女の子の定番な遊びなのにねぇ……

オモチャを並べて置くと男の子は車とか電車なんかを、女の子はお人形の類いを

選ぶことが多いそうだ。

教えなくても……ね。

だからお人形遊びに王太后さまが夢中なのは無理のないコトかもしれない。

おばあさま……おばあさままで……


でも、コレはアイリス様のですからね! 

ちいさな女の子のを取り上げたりしないで下さい! 


「えぇぇ~……私の分は無いのぉ~? ……泣くわよ!」


なんですか……その態度って……王太后の威厳はどうしたんです?! 

友達のオモチャを欲しがるわがまま娘みたいなことしないで下さい! 

あれ? おばあさま……なんで笑いをこらえてるんですかぁ? 


ドールハウスと土魔法の人形はまだ学友のミーアにしかあげていない。

アイリス様のほかにはね。

なので急いで造ることを約束させられたんだ。

ドールハウスは学園にしてほしいと言う。


「王城の生活はもう飽きるほどしてきたんですもの。

かといって実家の再現だなんて芸の無い話だしね。

今よりずっと窮屈じゃあなかった学園生の頃を思い出したくなったのよ」


あー……なるほど……

でも、オレはまだ学園って行ったこと無いんですけど。


「大丈夫! 見学できるように紹介状を書いてあげるわ。

最近『あすれちっく』とかいう妙な設備が増えたそうだからソレもよく見てね。

面白そうなら取り込んでイイわよ」


その口元の笑いは「知ってるゾー!」ってことですかね? 

へいへい。そのトーリですよー。

まったく「頭の良いわがまま娘」のまんま歳をとったって感じだよなぁ。

だから……おばあさままでおんなじ笑いをしないで下さいよ! 



 アイリス様は数日後に王都に帰って行かれた。

笑顔が可愛らしい美少女ってイイよね。

まあ、王女さまだから守備範囲外なんだけどさ。

そう思ってたら王都からまた王女さまがやってきたんだ。

アイリス様ではなくアイリス様の姉君が! 


あのー……オレを訪ねて来たってどういうことなんですかぁ? 

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