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329・キシリトール。

 領都に戻る途中で道路の側の林に妙な物を見つけた。

白樺のような木だった。葉っぱが白樺とは違ってたけどね。

白樺の葉っぱはトランプのスペードっぽいけどココのはハート型だった。

妙なのは幹に壺がくくり付けてあったことだ。


「あぁ……アレですか。

樹液を集めてるんですよ。

ホントはもっと春が近くなってからするんですけどね。

アレくらいだとまあ、子供達の遊びですね」


樹液……メイプルシロップのような物だろうか? 

アレは楓・サトウカエデの樹液を煮詰めたものだ。

白樺か……

たしかガムとか飴になってるキシリトールって白樺の樹液由来だったよな。

早春に採れるというその樹液は確かに甘いのだと言う。

ソレってココの領地だけですか? 


「他の領地でも採ってるようですが地元消費ですね。

というかほとんど家庭で消費するんですよ。

店に出たりとかはしてませんね。

だから飲んだことの無い人も結構居ます。

味見してみますか? 季節ハズレですからまだ量も少ないですけど」


ソレは確かに甘かった。

でも砂糖の甘さとはまた違ったね。

キシリトールのような爽やかな甘さだったよ。

でもどことなくなんとなくキシリトールとは違う気もした。

まあ、世界が違えば木も違う。

樹液の風味が違ってても文句は付けられないよなぁ。


水魔法で水分を分離して濃縮してみたんだ。

濃度はメイプルシロップくらいにした。

蜂蜜の代用くらいにはなりそうな気がしたよ。

春が近くなったらもっと沢山とれるらしい。


「こんな蜂蜜みたいな濃さになるなんて……

甘さもこんなに濃くなるんですね。

魔法で濃縮するなんて思っても見ませんでした。

コレは健康飲料なんです。

飲み過ぎるとお腹を下す子も居ますが便秘が治る効果があるそうです。

まあそういう物だということで」


館のメイドさん達が果汁の濃縮を生活魔法でやってました。

濃縮すると保存も効きますしね。

どれくらい保つかは試してみないと分かりませんけど。


「保存出来るなら真冬から早春だけのものじゃあなくなりますね。

店にも並べられるかも……

濃縮できるなら運ぶのも楽になりますし」


ふぅ~ん、じゃあちょっと商売にできるかカール君に試して貰おうかな。

冬の間の仕事になると良いんだけどね。

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