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25・電気製品。

 おばあさまは微笑みながらオレの前世の話を聞いてくれた。

まだ前世に未練が残ってることを責めもしなかった、

記憶が残っていることで今のこの新しい人生にいろんな影響が出てるのに……


「ご家族のコトを好きだったのね。

だったら忘れないようにするといいわ。

女が嫁に行っても実家のことを忘れないようなものかもね。


私だってもう完全にコノ家の人間になってるけど実家のコトを忘れたりなんて

してないわ。

ココはアナタの新しい家よ。

でも実家な前世の家族のコトを無理に忘れる必要なんて無いわ」


いいんですか? 

アナタの孫扱いですがこんな変な子供なのに……

ご迷惑なコトをしでかしそうで自分でもコワイんですけど。


「子供のするコトは大人とは違うのよ。

多少のコトはお目こぼしになったりするでしょ? 

だって子供なんだから……ってね。


怖がらずになんでもしてみるとイイわ。

神さまからも悪影響は少ないって言われたって言ってたわね。

だったら遠慮なんて要らないわよ」


優雅な老婦人のハズなのになんというか男前な発言だった。

軍人の妻だったせいなんだろうか? 

オレを安心させようと気遣って下さっているのが分かる。

ソレが嬉しくて……有り難かった。




 料理長に卵のことを聞いてみた。

出盛りは年に二度。春と秋。

春先の方が出回る量として多くて秋は量が少なめだという。

両方とも二月ほどの期間で保存はその後一ヶ月まで。

冷蔵してもその程度までだそうだ。


あれ? 冷蔵? ……ココって冷蔵庫なんてあるの? 


「ございますよ。勇者の知恵と魔法で造られたんだそうです。

魔法で氷を造って上部に納めておくと下部の棚を冷やしておけるんです。

キッチンの奥にあるのでご覧になりますか?」


あー……ソレって氷式冷蔵庫ってヤツだ。

電気の冷蔵庫が出来る前に使われてたんだ。

中の食品が電気冷蔵庫と違って乾燥しないのでこだわりのある老舗な

料理屋さんとかでまだ使っているところもあるって聞いたことがある。


サスガに勇者でも電気式の冷蔵庫は再現できなかったってコトかね。


ソレは大きかった。ちょっとした部屋だね。


「ココは貴族のお館ですからね。大きくて当然ですよ。

ちょっとお金持ちの商家なんかなら食器棚くらいのモノを持ってますね。

氷魔法を使える者がいないと使えないって欠点があるんですけど便利ですよ」


冷蔵庫があるならプリンとかゼリーとか冷やせちゃうよな。

コレは嬉しい。

卵はもう使い切っちゃったの? 


「すみません……

宰相閣下がおいでになったときのために取ってあったんですが先日のお出ましで

使ってしまいました。

半年待っていただけませんか?」


まあ、無いモノを無理矢理でも探してこいなんて言わないよ。

半年後のお楽しみ……だね。


ついでに卵料理について聞いてみた。

オムレツ、ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、スープも有ったし炒り卵ある。

勿論プリンもね。

なぜマヨネーズが名前だけになってたんだろう。


「泡立て器が無いと無理ですからねぇ。

オマケにかなりの労力ですよ……アレって……

交代でやるとかそれこそ魔道具にでもしないと大変ですから」


そうか! 魔道具にすれば良かったんだ! 

前世の世界でも電動のハンドミキサーがあったんだっけ。

電気がなくても魔力や魔石があるから小さな電気製品なんかは割と簡単に

再現できるかもしれない。


秘書のカールくんのお仕事はコレで確保できるかもね。

振り向いたらカール君は卵料理各種の妄想にひたっているらしかった。

……ヨダレを拭けよ! ヨダレを!! 

お仕事だよーっ!!! 

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