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22・誕生日ケーキ。

 雨がやんだ。


ココにも季節があってああいう雨期な時期はあと半年後だそうだ。

トムとタムは早速兵士達に頼んでチャンバラごっこに余念が無い。

ミーアもブランコにご執心だね。


オレもチャンバラごっこと魔法の練習をしている。

館のボールルームもイイけどやっぱり外は気持ちイイからね。


秘書のカール君はオレに商業ギルドにもっと色々アドバイスしてほしいと要求中。

そうは言ってもアドバイスがそう簡単に浮かぶもんでもないしねぇ。

まあ追々(おいおい)ということで……


そろそろココに来て半年になる。

二歳児相当に成長したから体も大分動けるようになってきた。

何をやってもまだ「ごっこ」でしかないんだけどね。


ミーアは二歳の誕生日が来るそうだ。

でも平民の普通の家では特にお祝いをするわけでも無いと言う。

ソレはちょっと寂しいよねぇ。


なのでちょっとだけでもと思って料理長にケーキを作って貰うことにした。

ところがオレのイメージのケーキとは違う代物だったんだ。

ドライフルーツ入りでパンのように発酵させて膨らませたモノだった。

そうだねぇ……ドイツのシュトーレンみたいな感じかな。

やっぱり誕生日のケーキならショートケーキ系がイイよねぇ。


ところが泡立て器が見当たらなかった。

う~ん……コレって無かったのか? 

構造は簡単なので試作ということでカール君に手配して貰った。


卵も季節モノで一年中有るモノではなかった。

そうか……野生の鳥の繁殖期って一年中って訳じゃあないよね。

前世で卵が一年中流通してたのはそういう風に品種改良とか生産システムとかを

やってたからだったんだろう。


なんとか探して貰ったけど……出盛りの時期に比べると高いんだって……

料理長はフォークで卵をほぐしていた。

なるほど……オムレツをそうやって作ってたのを見たこと有ったっけ。


最初から黄身も白身も一緒に泡立てるのは慣れてないと大変なので別々にした。

白身が泡立ってメレンゲになったのに驚いてたよ。

もっとも大分疲れちゃったみたいだけどね。


クリームのほうが簡単だったよ。

裏技でやっちゃったんだ。

ジャムを少し入れてやるとホイップ状態になるのが早いんだよ。

姉はイチゴジャムを入れてピンクのクリームを作ってた。

レモンのジャムでやると色がほとんどつかないから白いままなんだ。


メレンゲに粉や卵黄・バターなんかを混ぜて生地を作る。

型が無いと思うだろうけどその辺はチェック済みなんだ。

ちゃんと泡立て器と一緒に造ってもらったんだよ。


でもクッキングペーパーは無かったんだ。

う~ん……どーしよう……焦げ付いちゃうよねぇ。

でもさすが料理長! 型にバターを塗りつけてソレに粉を振りかけた。

クッキングペーパーが無くても方法はあったんだねぇ。


オーブンは……まあ、パン焼きカマドだね。

館でパンを焼いてるからね。

ピザとか食べたくなっちゃったけど今回はケーキだからガマンガマン。

でも最初の試作品は少し焦げていた。

味は悪くないと思ったよ。ちゃんとフンワリふくれたしね。

試食したキッチンスタッフも美味しいって言ってくれたよ。


さてミーア! 君の誕生日ケーキができたよ! 

イチゴが無かったから代わりに赤い木イチゴっぽいのを乗せたんだけどね。

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